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君のせいだかんね!
きみがため おしからざりし いのちさえ
ながくもがなと おもひけるかな
切ない歌です。これは好きだった人と結ばれて、喜びを送った歌です。だけどとても切ないのです。
私的現代語訳はこんな感じ。
君のために惜しくはないと思ったこの小さな命が
少しでも長くあればいいと思うようになったよ
運命とは残酷なものです。この歌を詠んだ人は、小さいときから病弱で、結局は若くしてこの世を去ってしまいます。
その背景もあり、定家はこの歌を百人一首に選んだのではないかと思っています。
この歌の人が亡くなったあと、たくさんの人がこの歌を知り、多くの人が彼の願いが叶うように祈ったことでしょう。
しかし過ぎ去った事実は変えようもなく、彼の命は儚いままなのです。
きみがため おしからざりし いのちさえ
ながくもがなと おもひけるかな
長生きしたいね!