6/8
号外
『世の中を拗ねている』
それが、(紅佐 美咲)と名乗る少年の第一印象だった。
『紅佐の部屋』には、意味不明な日記や大量の本の紹介。
(まだ出会っていない自分自身を探している)
典型的な現代っ子。
でもレッディルは、他の同世代の男の子達とは全く違っていた。
週7日働いて、生活費として母親に7万円渡す。彼女無し、女に興味なし。
そんなストイックな生き方をしている18歳には出会ったことがなかった。
【或る重大な出来事】が起きたのは、『紅佐の部屋』を発見して初めて書き込みしてから1週間後のことだった。