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ペンタハイラント〜5人の救世主〜  作者: 赤麦茶
5人の少年、少女
5/16

ヘイト

薄汚い和服を身に付け眼帯をした男は、目的地のクスト国を目指して海に出ていた。

「兄ちゃんよ。いや、おっさんかのぉ。ほほほほ。どうしてそんな遠くに行くんじゃい?」

船を漕ぐ老人が聞く。

「それは言えないんだが、昔の友人に会いにな。」

「その眼帯は怪我かい?」

「これも…言えねぇ。」

「いやぁ、すまんのぉ。あ、向こうの島が見えてきたのぉ。」

ー あそこに………





「師匠。本当に行くのか?」

暗い部屋の中声がする。

「あぁ、あまりワシの趣味ではないが、この戦争は酷すぎる。」

低い声で答える。

「おいヘイト!お前は全く…いつになったら師匠に敬語使えるんだ?」

高い声でしかる声。

「俺に尊敬する人などいない。だから敬語を使う必要はない。」

「お前は全く…。すいやせん師匠。」

「いやいや、いいんだよ。師匠って呼ぶって事はそれなりに尊敬してるんだろ?ワハハハ。」

「確かにそうっすね。ハハハッ。」

「うるさい。」

「おいヘイト。ちょっとこっちに来な。」

(ワシの継承者はお前しかいない。お前の先輩であるジャックも認めてくれるだろう。お前は天才だ、昔の俺にはなるなよ。その才能を世界や仲間のために使え。)

師匠はヘイトの耳元でもう言うと、外に出た。



激しくぶつかり合う戦場。

剣がぶつかり合う音。

剣で人を切る音。

銃声。死に行く人の叫び。

さまざまな音が聞こえてくる。


その音を掻き消すような大声。

「お前らぁぁ!いつまでこんな戦争をしてるんだ!やめないか!やめないならこのワシがこの場を破壊してやる!」

そう言うのは、2mは超えるであろう大男。黒い鎧を来て自分よりも大きな特徴的な斧を持っている。

「なんだアイツは。」

「1人で何ができるってんだ。」

「ああぁ…アイツは!?」

1人の兵士が怯えている。

「なんだ?どうした?」

「アイツは…破壊王だ!」

そう言い捨て逃げて行った。

「なんだって?破壊王!?そんなの歴史上の人物じゃ…でも教科書に載ってた絵と同じだぁ。逃げろー。」

片方の軍が引いて行く。

「へへへ。俺たちは教科書なんて知らねぇからな。誰だお前。」

兵士が笑いながら言った。

「ワシは破壊王だ。お前らいい度胸じゃねえか。」


[破壊王とは。100年ほど前世界の半分を消した男。この事件は第二次悪魔降臨と呼ばれた。その後姿を見るものはなかった。]



「師匠。そんな。」

ヘイトの顔が青ざめる。

「師匠ー!なぜあなたが!」

弟子のジャックが騒いでいる。

「なんでですか。」

ヘイトの目から涙が。

「お前。やっと敬語使いやがったな。」

その時、黒く深い闇のオーラがヘイトにまとわりついた。

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