ニーク
変わらない戦況の中、
ヴィット国とヴァーラ国が同盟を結ぼうとしていた。
しかし、同盟というのは表向きで、ヴィット国はヴァーラ国を吸収しようとしていた。
少年3人が川の近くで釣った魚を焼いていた。
「やばいっすね、めちゃいい匂いっす。」青色の髪で短髪の少年が言った。
「だろ?この魚皆臭ぇとか言うけど、焼くと美味いしいい匂いなんだよな。」
と、魚を焼きながら言う少年は、上半身裸で鍛え上げられた肉体をしている。
「早く食いたいっす。ヨダレ止まんねえっす。」
「ブルーノ汚ねえぞ、ヨダレ拭け。」
オールバックで3人のリーダーの少年が言う。この少年の名はニークと言う
「ロン。あとどれくらいで焼ける?」
「あと3分程度だと思うぜ。」
「そうか、じゃあちょっと泳いでくる。焼き終わっても全部食うなよ。」
少し睨んだ感じで言う。
「食わねえよ。」ロンが答える。
「いや、お前じゃねぇ。ブルーノ!さっさとヨダレ拭け!あと、食うなよ!残せよ!」ニークが大きい声で言う。
「食わないっすよ。絶対食わないっすよ。僕のヨダレに誓います。」ブルーノが言う。
「バカ、ヨダレに誓うな!汚ねえ。」
と言って川へ入った。
5分後。
「この魚超うまいっすね。」
「今日のは当たりだな。」
「よっ、ちゃんと残してるか?」
「あっ…は、半分残ってるっすよ。」
「食いかけじゃねぇか!」
ニークがブルーノを殴る。
その時だった。
笑っていた3人の表情が急変した。
そして、全員水浸しになった。
ざざざざ
[隊長、生物反応が残っています。ミサイルは生物には当たらず近くの川に命中したようです。どうぞ。]
ざざざざざ
[もう弾は撃つなよ!勿体無い。ワシ自ら確認しに行く。]
飛び交う無線。
ニーク、ブルーノ、ロンのすぐ後ろの川にミサイルが落ちた。
それによって川の水が飛び上がり、3人にかかった。
ーこの状況どうしたらいいんだ…
悩むニーク。
「うわぁぁぁぁ。やばいっすよ。早く逃げましょう。」と混乱するブルーノ。
「ミサイルが次、弾を撃つまで5分程度だ。その間に逃げられるのか?」
と諦めかけたロン。
「ロン。それは正確な情報か?」
とニークが問うと。
「あぁ正確さ、2ヶ月前まで親父は軍人だった。死ぬまでな。」
とロンが答える。
「僕逃げますよ?怖いっすよ。死んじゃいますよ。」
「待て!この近くに洞窟はないか?そこに行けば間に合うだろう。」
ガサッガサッ。何かの足音。
しかし、3人は後ろに立たれるまで気づかなかった。
「貴様ら…何もんだあ?」