行動開始
ピース騎士団全員が集まった次の日。
クスト港の小さな倉庫の中でレンが全員を集め会議を開いた。
全員の前にレンが立った。
「ここに集まってもらった理由は他でもない。1ヶ月後に我々は攻撃を仕掛ける。そしてすぐに行動をしてもらう者もいれば、そうでない者もいる。まずベテラン、中堅は敵の情報を得るために動いたり、武器の収集、作戦をたてる。そんな役割だ。情報獲得や武器の収集は上手くやらないと気づかれて戦闘になる可能性もある。充分気をつけてくれ。そして若者達。君達は今から2週間トレーニング。3週目は実践練習。4週目は休憩をとりつつ作戦を頭に叩き込む。わかったら解散だ!」
バットは気さくなため皆と仲良くなって人気者になっていた。
「バットさん!」
レイが1人でいるバットの元へと駆け寄る。
「お、レイか。どうした?俺の屁の匂いでも嗅ぐか?」
ふざけて答える。
「いや、いいです…。」
呆然としてしまうレイ。
「あはは、そうかそうか。それで何の用だ?」
普段の表情に戻る。
「バットさんはヴァーラ国の隊長クラスだったんですよね?」
レイが聞く。
「3番手だったけどな。あははは。」
笑うバット。
「俺強くなりたいんです!」
真剣に言うレイ。
「何でだ?」
バットの顔も真剣になる。
「俺…強くなかったから。だから、じいちゃんが俺をかばって死んだんです。俺は!もう何も失わない強さが欲しい!」
真剣な眼差しでバットに訴える。
「そうか、おじいさんを守れなかったか。俺もだ。」
そうバットは言った。
「えっ?」
少し驚くレイ。
「俺も軍隊に所属したばかりの時に、仲間を守れなかった。だから強くなるためにがんばった。死ぬ程がんばった。なのに俺は…隊長でありながら最後何もできずヴァーラ国を抜ける事しかできなかった。」
バットは涙を浮かべる。
「よし、レイ!今からついてこい!修行をつけてやる!」
涙を拭って笑うバット。
「はい!ありがとうございます!」
はりきるレイ。
「あの〜。俺もついていっていいですか?俺弱いんで強くなりたいっす。」
その話しを聞いていたニークが言う。
「おお!いいぞ!強くしてやる!」
隊長のレンは1人で港のすぐ側にある森の中で木にもたれて休んでいた。
「おい。俺のそこ。隠れてないででてこいよ。俺がずっと気付かないとでも思ったか?」
落ち葉を踏む音。
ゆっくりと出てくる人影。
和服を着て眼帯をした男。
「さすが伝説とまで言われた男だな。」
ニヤリとしながら言う。
「お前誰だ〜?団員ではないだろ?」
そう言ったレンに男は素早く矢を放った。
「おい、質問に答えろ。」
レンは男の後ろに回り首に剣をつきつけた。
「さすがは伝説。何も見えなかった。衰えしらずか。」
「名をなのれ。何が目的だ!」
レンが強い口調で言う。
「私は独眼竜と呼ばれる者だ。あなたを試すために来た。」
「独眼竜…俺を試すとはどういうことだ。」
さらに強い口調で言う。
「ヴィット国。いや、今はヴィット帝国だな。雇われているシザーハンズのハンゾウに一族を殺された復讐をしたいんだが、私では敵わない。だからあなたならと思ってな。」
「なにっ!?ハンゾウが雇われてるだと?それは本当か?」
驚くレン。
「あぁ、本当だ。あいつは人を殺すのが趣味だから雇われていてもおかしくない。」
「ではお前は俺の仲間か敵かどっちだ。返答しだいでは…」
鋭い目つきで威嚇する。
「よろしければ仲間になりたい。」
「独眼竜は特殊な眼を持つと言われている。俺の欲しい戦力だ。だが、不審な動きを見せたらわかるな?」
「大丈夫だ信用してくれ。私も男、約束は守ろう。」
その時、レンの直属の部下モルはすでに敵勢を調査していた。
「敵の総数はかなり多いな1000万いや、1500万か?俺達とは天と地の差。」
その時何かを見て驚く。
「!?」
ー あれはシザーハンズのハンゾウ!それにフロストのサスケ!?ハリケーンのフウマ、サンダーのダンゾウ、サイゾウ兄弟。極東からどれだけの戦士を集めてるんだ。
「これは、ヤバイ。」