悪魔神降臨
遥か昔の事だった。
この大陸の国は人々の裁量で決められていた時代。
3カ国の国があり、北に綺麗な建造物があるクスト国、南東に豊かな緑があるハーブド国、南西に大きくヴィット国があった。
当時は戦争も無く平和な世の中だった。
しかし、ある日全ての人間1人1人の少しの邪心が塊になってハーブド国上空に集まった。
それは空間に薄く張られているバリアの様なものを破り穴を開けた。
そして、その穴の向こうからどす黒い煙が流れ込んで来た。
そして次の瞬間黒い煙が爆発し、ハーブド国の豊かな緑を天へと舞い上げた。
「な、なんだこりゃぁぁぁ。」
「私たち死んでしまうの?」
「この世の終わりだ。」
ハーブド国民。そして爆発を目の当たりにしていた人。その全員の思いは一つ。
世界は終わる…
しかし、その時だった。
その爆発が途中で止まった。
まるで爆発だけ時間が止まったように。
そして爆風がだんだん縮まり、消えてなくなった。
『なんだ、何が起こった。」
空間の穴の向こうから聞こえる声。
その穴を睨みつけ、1人立つ男がいる。
長いクリーム色のマント。背負う大剣。頭に赤色のバンダナ。
「俺は未来を見通せる者だ。悪魔神。貴様を消すために来た!」
穴に向かって叫ぶ男。
『未来を見通せるのか。あの爆発を止めたから確かにそうかもしれんな。じゃあお前の最期も見えているだろ?死ぬ未来を。フハハハ。』
バカにして笑う悪魔神。
そして穴から姿を現す。
その姿は真っ黒。赤く不気味に光る目。
闇そのものだった。
「あぁ見えてるさ………お前の最期がな!」
そう言うと男は大剣を抜き、悪魔神に斬りかかった。