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オレンジの約束  作者: tomo
プロローグ
1/12

まえがき

 歴史は混沌と秩序を繰り返すことで作られる。世界が混沌にあるとき、人々は戦争をし、秩序を手に入れる。そして、しばしの平和の後、その秩序を壊し新たな秩序を手に入れようと、再び世界を混沌の中に引き戻す。そうして世界は混沌と秩序を繰り返す。


 十五年前に起きた世界大戦は、世界が完全に混沌に飲み込まれたために起きたものだ。どの国も自らの秩序で世界を正そうとし、またそのチャンスはどの国にもあった。拮抗状態にあった戦争は五年もの歳月におよび、そのために数えきれないほどの人々が亡くなった。それでも戦争は終わらない。人々は永遠に戦争が続くのかと思っていたが、戦争は必ず終わりはやってくる。混沌のあとには秩序がおとずれるのだから。


 この終わりの見えないこの戦争を終わらせたのは、たった一人の男である。ポテンシャ帝国のフォルツという将軍だ。彼はこの戦争の活躍により、現在は国王となっている。混沌の中にどっぷりと沈んでしまった世界を秩序に引き戻したというと、どんなことを彼が成し遂げたのかと興味がわくが、彼が戦争を終わらせるためにしたことは特別なことではない。ただ圧倒的な力をもって世界を支配しただけなのだ。彼と対峙した人は口をそろえて言う。あいつは人間じゃなかった。物の怪に取りつかれている、と。


 戦争が始まったとき、フォルツは決して目立つほどの力を持っていたわけではなかった。むしろ将軍という地位にふさわしくないとまで言われていたほどだ。しかし、ある時を境に圧倒的な力を手に入れた。何があったのかは誰も知らない。分かっていることはフォルツの力は人の手に負えるものではないということだけだ。


 それまではどの戦いも均衡を保っていたが、その戦いにフォルツが現れた途端にその均衡は崩れた。何人も彼に立ち向かったが、彼に傷をつけることすら叶わない。各国の腕自慢の兵士も彼の前では無力だったのだ。戦いが始まると皮膚はトカゲのような色になり硬度は鉄以上になる。剣で切っても傷一つつかない。また炎で焼き尽くそうにも燃えない。そして腕力は人間の比ではない。彼が振りかざした剣は鎧ごと叩き切った。


 世界各国が降伏し、そうして五年におよぶ戦争に終止符を打った。現在はポテンシャ帝国の支配のもと世界は秩序の中にある。



 しかし、一人の少年によって世界は再び混沌へと動いていくのである。

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