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【プロットタイプ】スタンダール症候群

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

プロットタイプ。妹ちゃん

教会の荘厳さを渇望しながらも、耐性がないのは何故なのか。

私が大学生になる頃には、行動範囲も非常に広くなっていた。電車の乗り降りも、乗り換えもそつ無く粉していたし、何より定期があったので、頻繁に様々な場所へ顔を出した。

物を書くのは大好きだが、其れと同じ位、何処かへ出掛けるのが好きだった。

ある時、旅行先で見たステンドグラスが恋しくなり、近場で見られる場所はないか探した事がある。壁一面に嵌め込まれた美しい空間にまた浸りたい。現実を忘れて浸りたい。

そう思って調べていたら、教会で見学が出来るという事だった。


電車を乗り継いで降り立った先、文化会館と思しき建物が目に入った。何でも其れが教会であるらしい。近代的な造形に驚きながら、早速見学をさせて戴くと、巨大なホールが存在していた。

柱を示した様な鮮やかなステンドグラス。それが光を受けて、世界を照らし出す。扇形に配置された椅子に、今、信者はおらず、私だけのがその場所にいた。

域を飲む程の光景であった。けれども何故だろう。落ち着かない。何だかソワソワして、此処に居て良いのか分からない。其れはまるで、知らない異国に一人で放り出された様に。

何、多分気の所為であろう。私は気持ちを落ち着ける様に、ゆっくりと歩き出した。此処の柱を模したステンドグラスも十二分に美しいが、私が見たいのは主イエスの生涯を表したものなのだから。

そうして扇に沿うようにして歩くと、壮大な物を発見した。

壁一面、全てを覆う程の精巧なステンドグラス。鮮やかで、壮大で、見るものを圧倒する様なもの。其れは息を飲む程のものだった。

しかし……視界がグラつく。立って居られない。動悸が走る。呼吸も安定しない。

私は手摺にしがみつくと、そのまま体を守る様に猫背になった。椅子があるならば、そのまま座り込んでいただろう。

何故? と思うまもなく、私はその場に膝を着いた。呼吸は荒くなる一方で、目眩も酷くなる一方で、自分ではどうする事も出来ない。

けれども分かった事が一つ。この場所に長く居てはそのうち気絶する。居てはいけない人間故に、早く出なくてはならないという事だった。

命からがら逃げ出して、駅で呼吸を整える。寒気が止まらない。その事に強い罪悪感を覚えた。それでもあの神聖で荘厳な光景を何処かで渇望していた。



「あの、教会内部の見学をさせて戴きたいのです。拝観料は此方で宜しいでしょうか?」


高校までは確か大丈夫でした。

普通にパイプオルガン聞いて、『とっても綺麗だったねー』とか言いながら帰るくらいには。

だから最近になって。


スタンダール症候群ってご存知でしょうか?

偉大な美術品を目にした時に、吐き気、目眩、動悸等の症状を引き起こす病名。

何でも旅してる人、特に一人旅の人や、宗教教育を受けている人がなりやすいらしいです。


もうそういう事にします。ノセボ効果だとも思ってます。

※ノセボ効果とは、所謂、プラシーボ効果の逆。悪い思い込みから、病気しちゃう。

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