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同級生時々  作者: ぎんろろ
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驚き

「どうも天明塾から来ました、吉川です。よろしくお願いします」

そこに立っていたのは、私より少し背が高く、髪は少し長めの見た感じ大学生ぐらいに見える男性だった。

「初めまして私は石山 美羽です、よろしくお願いします」

部屋へ通した後、彼は直ぐに仕事の話を始めた。

「塾長からも話があったと思うが俺は家庭教師は初めてだから何かあれば直ぐに声をかけてくれよ、とりあえず中間テストの答案用紙を見せて、そこから苦手な分野を確認するから」と言われ私は彼に答案用紙を渡した。

彼は答案用紙を確認すると「石山さんにあった問題を用意するからその間に中高の教科書を用意して欲しい」と言い、バッグからノートパソコンを取り出して作業を始めた。

私も彼に言われた通り教科書の用意に取り掛かった。あれから数分が経った。その間も彼は黙々と作業をしていた。そのため2人の空間には静寂が訪れていた。流石にこの空気に耐えられなくなった私は何か聞いてみることにした。

流石に最初の質問なので答えやすいのを聞いてみた「あのー吉川さんは何歳なんですか?」

この質問なら簡単で答えやすいだろうなと私は思ったのだが、彼は手を止めて少し間を置き少し困ったのか一言「想像に任せる」とだけ言った。予想外の回答で驚きを隠せずに聞き返した「想像に任せるって何で隠すんですか〜」すると彼は「ほら、そんなどうでもいいからこれを解いてもらおうか」と言ってノートパソコンをこちらへ向けてきた。その画面には問題が映し出されていた。「これが俺のメインの教え方ね、俺が問題を作って君が解く、正解か不正解はその場で分かる仕組みになってますんで、分からない所とか、解説が聞きたくなったら気楽に声をかけてね、じゃー頑張って」彼はそう言うと私にノートパソコンを手渡し、教科書に目を通し始めた。

なんか凄く独特なやり方じゃないかこの人と内心思いつつ、彼が用意した問題に取り掛かった。彼が作っていた問題は私が間違えていた類似問題で構成されていた。最初の方は簡単でサクサク解けていたのだが13問目で少し止まってしまった。

流石に自力で解けなかったので彼を呼ぶことにした。

「この問題が分からないですけど」と彼に声をかけてかけた時、私は彼の発言に耳を疑った。彼の発言は「教科書13ページを見てみろ」だった。最初何を言っているのか分からず硬直している私に「教科書13ページに今悩んでいる問題の説明が書いてあるから、まずはそこ見ながら解いてみろ」と言うのでとりあえず、教科書の言われたページを開いてみることにした。確かにそこには悩んでいた問題の説明が書いてあった。

私は動揺と驚きの感情が隠せなかった。

「どうしてこのページに書いてあるって分かったんですか!?」

「正解のSEが12回鳴ってから君が声をかけてかけてきたのだから悩んでいる問題は13問目になるだろ、簡単な話だ」

「そこじゃないですよ!いやそこもだけど、何で教科書のページが分かったのかですよ!」

「あー俺、瞬間記憶似の能力持ちだから一度見たものを覚えていられるんだよ」

「瞬間記憶?何ですかそれ」

「そのままだ、一度見たものを忘れないことだ」

どうやら彼は凄い能力の持ち主らしいだったらしい

「俺のことはいいから早く問題を解いてくれ」

「あ、はいすいません!」

そう言われてもう一度問題に取り掛かった。



数時間後の天明塾にて

「戻りましたー塾長」

「お帰り吉川君、どうだった初の家庭教師は?」

「教え子がクラスメイトじゃなければ良かったなと思いましたよ」

「そう言わないでよ、これも人見知りを直すには良い手じゃない?」

「良い手かもですけど、俺一応学校では変装してるからバレないか心配でしたよ、でも一度引き受けた以上最後やったりますよ」


自分のペースでゆっくり作っています

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