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へっぽこ魔人生  作者: 岸辺濫瀟
第2章
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2.新たな出会いと別れ

 ヒルドに戻ってきた頃にはもうとっくに日が沈んでいた。初冬の肌寒さを感じながらヒルドに入った。フードで顔を隠しているため、今は妙な視線を感じない。俺は何も悪いことをしていないが、居心地の悪さを感じてそそくさと馬を借りに行く。


 ヒルドは辺境に位置するが、国内でも栄えている街である。多くの人が様々な目的を持って訪れるこの街は、必然的に移動手段が必要になる。馬や馬車、高級なもので言うと馬型の魔物馬車なんてものもある。


 だからこそ、俺なんかもその恩恵をあやかれるわけだ。ヒルド様々である。これが他の街や都市であれば気軽に馬を借りようなんて発想にならない。馬の数が少ないこともあるが、何より高いのだ。辺境だからこそ土地を広く取ることが出来るが、他の都市や街ではそこまで土地を割くわけにはいかない。それに馬を守ることも簡単じゃない。


 大通りを外れた場所にある馬貸しのところへと歩を進める。夜中ではあるが、馬貸しはいつでも店が開いている。緊急事態で馬を借り受けたいという人間は貴賎を問わずいるのだ。もし寝ている間に万一貴族が来て追い返してしまえば、恐ろしい報復がなされてしまう。このような職業柄、馬貸しは店を開けているのだ。

 店のドアを開け、フードをおろしながら中へと進む。真正面にいる馬貸しの婆さんに話しかける。


「夜分に失礼する。馬を借り受けたい。いくらだろうか?」


「おーこれは英雄の来店だ。馬はいつでも貸せるよ。いつまでだい?」


「あー、よく考えれば長旅に出るつもりだから買った方がいいのかもしれない。一頭買うとしたらいくらぐらいだろうか?」


「訳あり馬でも最低三十万くらいだねぇ。高いと百万を超えるよ。英雄様はぱっと払えるんだろうけどね」


 最低でも三十万かかるのか。3等級の俺が頑張った月がそれくらい稼げる程度だ。今の手持ちは五十万円。冒険者ギルドに預けてある三十万と現金二十万の内訳だ。買うには買える。これは必要な出費なんだ。そう言い聞かせて購入の意思を伝える。


「三十万の馬を見せてくれ。買うつもりではいるが、見てから決めたい」


 そう伝えると馬貸しの婆さんに案内され、馬のところへ向かう。馬たちがいる厩舎に入るとチラチラとこちらを覗く馬と目が合う。


 気にせず馬貸しの婆さんについていくと、連れて行かれた先には一頭の馬みたいな生き物がいた。足には爬虫類を思わせるような鱗があり、胴体は岩石、首から頭にかけて錆びた金属鎧、兜を纏っている。本来尻尾がある位置に針金が複数生えている。あれが尻尾なのだろう。


 目とシルエット以外馬らしい要素皆無の化け物がそこにいた。かっこいいけどこいつは本当に馬か?どこの店が訳ありの馬として馬の化け物を売るんだ。詐欺もいいところじゃないか。


「おい婆さん。こいつ明らかに馬じゃないだろ。馬型の魔物か?」


「それがわからないんだよ。普通の馬と同じように走れる。なんなら他の馬以上に走るんだけど、この見た目だからね。一応置いているけど誰も借りないし買わないよ。あんたは買うかい?」


「どうしようか」


「こいつ以外には三十万なんて値段の馬はいないよ。他は五十万は硬いね」


「うーん。なら買うとするか。それ以外に選択肢もないからな。普通に乗れるなら大丈夫だろう」


 そう言って俺は馬のような何かを見つめる。他の人は普通の馬が欲しいのかもしれないが、俺にとっては安くてよく走るなら見た目などどうでも良かった。どうせ旅に出るのだからどれだけ奇異の目で見られたとしても問題ない。

 すれ違う赤の他人にどう思われるかよりも、俺の旅にどれだけメリットがあるかが重要だ。自分第一。


「あんたも変わった人だね。英雄なんて呼ばれる人間の考えることはわからないね」


 馬が目立てば俺の顔など気にはならない筈だ。それに俺の顔はヒルド周辺にしか知っているやつはほとんどいない。いい馬が買えて俺はカモフラージュできる。良い事尽くめだ。

 俺はこれから旅を共にする相棒に名前を付けることにした。やはり名前がないことには接しづらい。


「お前の名前はファンタズマだ。これからよろしくな」


 馬に話しかけても人のように返事が出来るわけがないか。でも鼻を鳴らしてるから理解はしているのかもしれない。

 馬貸しの婆さんに早速厩舎から出してもらい、馬具を身につけさせる。普通の馬具ではファンタズマの体に合っていないが、一先ずはこれで我慢するとしよう。王都でオーダーメイドできればいいだろう。これでいつでもヒルドからおさらばできるってわけよ。


 思い立ったが吉日と言うし、今すぐヒルドから立ち去ろう。明日になればレルバや紅たちに絡まれるかもしれない。その日暮らしの冒険者を抜け出すためには先のことを常に予想して動く力が必要だ。俺の磨きに磨かれた未来予想では明日になれば周りを固められ、街から出ることにも苦労する。さらにはあまりの難易度に受注されない特殊依頼を受けさせられるんだ。

 嫌な未来しか待ち受けていない。到底受け入れられるものではない。もし受けさせられたら体から血を出してやる。人間、怪我をせずとも血を出せるんだ。血涙、血尿、血便、鼻血。上からでも下からでもところ構わずぶっ放してやる。俺はやる時はやる男だぞ。


 実力に見合わない評価を押し付けられた男は思い詰めた結果、頭のネジがいくつか飛んでしまった。思考が明後日の方向に向きながら、狂気的な決心を抱く。

 ファンタズマを連れて門を出る。今朝から噂が広まりすぎて気が気じゃなかった。それでも今は落ち着いている。俺にまとわりつく柵は家も含めて消えていった。この日を境に英雄と名高い俺は消えるのだ。そして流離の旅人にジョブチェンジ。

 約4年世話になった街を後にする。気持ちは清々しさもあるが、4年も暮らしていれば思い入れも出てくる。一抹の寂しさが飛来し、去っていく。さよなら、ヒルド。


 ファンタズマの背に乗り、王都を目指す。夜間のため魔物の接近を警戒するが、整備された街道であるためか魔物の姿はあまり見かけない。

 街道は作成されるときに冒険者によって周囲一帯を殲滅させる。王族や貴族からの大規模依頼が出され、冒険者が受注する。等級によっては受けることができないが、4等級に上がっていれば参加可能だ。

俺は参加したことがないが、上位の冒険者にとっては割に合わないらしい。そりゃ大人数で安全に殲滅していく依頼と危険度の高い受注できる等級も限られる依頼じゃ報酬も桁違いだ。


 頭の片隅で警戒を続けながら馬貸しの婆さんに聞いたファンタズマのことを思い返す。馬貸しの婆さん曰く、ファンタズマは何でも食べるらしい。草、肉、魚以外にも鉱石や魔物まで食用可能な物は広範だ。俺はファンタズマが十中八九魔物と予測している。馬の特殊個体であっても食べ物は馬と同じため、ファンタズマは当てはまらない。

 元はどこぞの貴族が持っていたらしいのだが見たことも聞いたこともない魔物は大したステータスにもならない。その貴族がどのような経緯で入手したのかは不明だが、それを押し付けるように馬貸しの婆さんに売ったようだ。


 魔物であると仮定しても、ファンタズマは見たことがない魔物だ。雑な言い方になるが、馬と岩、蜥蜴、針金、金属兜を合体させれば出来上がりそうだ。

 正体不明の魔物。王都にある魔法学院でならわかるかもしれない。あの場所には魔法以外にも多種多様な蔵書が保管されている。残念ながら俺のようなただの冒険者は本来ならば入ることができない。悪用されれば国が滅びると伝えられる禁術が安置されているのだ。縁もゆかりもない俺には正規の手順では利用ができないのだ。


 あくまでも正規の手順ではというだけで方法がないわけじゃない。人間がやることには必ず穴が出来る。完璧なんて幻想だ。

 魔法学院には魔法の師匠がいる。その師匠に会いに来たと言って、ついでに調べさせてもらうのだ。内部の人間から手引きしてもらえば俺でも入れるって寸法よ。だがこの方法には問題がある。俺は師匠の元で魔法を学んだが、それは師匠の行く先々で白昼堂々土下座しまくったからだ。嫌々師匠になることを引き受けた人物が果たして俺に便宜を図ってくれるのだろうか。

 師匠は甘いものが好きだから王都で何かスイーツを買っていこう。機嫌取りは大切だ。


 そんなことを考えていると、街道に何か影が見える。明かりもなく街道に人間がいるわけがない。俺はファンタズマから降りて、剣を鞘から抜き放つ。

 ファンタズマは俺が抜いた剣におびえることもなく、俺の後ろにいる。じりじりと陰に足音を消して近づく。街道の影は動かない。俺に気づいていないのかもしれない。

 意を決して火属性初級魔法【灯】で辺りを照らす。すると人間が倒れていた。倒れている人間の顔を見ると、金髪の女性だった。前髪は綺麗に切り揃えられ、肩くらいまであるさらさらとした髪が風で揺れる。

どうやら意識を失っているようだ。衣服に乱れがない。呼吸も正常だ。出血や目立った怪我も見受けられない。


 こいつは何者だ?王都までの道のりにいる以上、王都方面に行こうとしていたことは確実だ。誰かと争った形跡もないが、なぜ道の途中で意識を失っているのか。俺は起こさないように手持ちの荷物を漁る。決して泥棒しようというわけではなく、身元がわかるものを探しているだけだ。

 だが変わった形の短剣くらいしか彼女は持ち合わせていなかった。結局俺は見ず知らずの意識を失った女性の持ち物を漁っただけだ。英雄から旅人へジョブチェンジしたかと思えば、今度は犯罪者になってしまう。断じて体には指一本たりとも触れていない。


 誰に聞かせるでもない弁明をしながら、彼女を起こすことにした。正直持ち物からどこの誰かはわからなかった。それにこんなところで意識を失っている理由が不明だ。俺は辺境に引き籠っていたから王都までの道のりで特殊な魔物でも出現するようになったのかもしれない。

 上半身を起こし、肩をつかんで揺さぶる。


「おい、起きろ」


 揺さぶっても声をかけても起きない。仕方ない。今度は前後に強く揺さぶる。


「おい、起きろって。こんなところで寝るんじゃない」


「うぅ……。」


 徐々に金髪の目が開かれていく。まだ意識が回復した直後のためか呂律が回っていない。だが起きたのであれば何があったか聞ける。


「おい、なんでこんなところで意識を失っていたんだ?」


「あなたはどなてですか?」


「ヒルドの冒険者だ。それよりもなんでこんなところにいる?」


「えぇと、私は王都まで帰る途中でした。貴重な鉱石が発見されたので私の魔法の師匠の代わりに受け取りに行きました。その帰り道で複数の集団に襲われ、鉱石を奪われてしまったのです」


「それにしてはあんたに傷や怪我が見当たらないが?」


「私は特殊な能力を持っているので、敵にしてももったいないと思ったのでしょう」


「鉱石は魔法鞄で運んでいたのか?一人で?」


「そうですね。途中までは護衛がいたのですが、その護衛達が襲撃者だったということです」


「それは災難だったな。まぁ、命あっての物種ともいうし、助かっただけましだろう」


「そうですね……。ところでその馬は魔物ですか?」


「それがわからないんだ。馬ではないんだけど、見たことも聞いたこともない特徴でね。旅する途中に王都で調べられないかと思ってたんだ」


「私も見たことない魔物ですね。王都で調べるとなると、魔法学院でお調べになるおつもりですか?」


「そのつもりだ。今もいるかはわからないが、魔法学院には知り合いがいてね。その人に調べてもらおうかと思っていたんだ」


 ここでは師匠のことを伏せておく。万が一この娘が師匠の知り合いだったりしたらおしまいだ。

手土産も買う前に連行されてしまう。そもそも俺は師匠から無断で辺境に逃げたんだ。現実に押し潰される前に辺境で夢を見たかったんだ。だが師匠はそんなことは知らないだろう。幾度となく懇願してきたくせに、ふっと消えてしまった弟子など良く思うほうがおかしい。


「お知合いですか。私は魔法学院の生徒ですのでお世話になっている先生方の中にいらっしゃれば、私も知っているかもしれませんね」


 まずいまずいまずいまずい。無暗矢鱈に明かさなかったのは幸いだった。俺の師匠がまだ現役であれば魔法学院で先生をしていたはずだ。俺は弟子になるまで知らなかったが、俺の師匠は国内でも有名な魔法使いだ。火・水・土・風・光・闇・無、全ての属性を操り、1等級冒険者と同格と思われている最強の魔法使い。ベルゼ王国の宮廷魔法使いに何故ならないのかと言われるほど、知らぬものがいない人だった。田舎者の俺はあまりに無知だった。


 師匠の周りはお手を煩わせてはいけないと配慮していたようだが、そんなもの気にせず突撃し、付きまとったのが俺だ。何度も叱責されたが、「あなたが魔法を教えてくれるまで、いついかなるときでもお願いしにまいります」と言ったら、根負けして教えてくれた。

 そんな師匠の名はヴェラゴ=ジャラガ。異名は「死魔」。彼と対峙して生き残った魔法使いはいないと言われている。全ての属性を司る師匠には苦手な属性なんてない。言っておくが、全ての属性を使える人間はこの大陸にいても一人か二人だ。さらに魔力が一定以上の人間など、師匠しかないと言われている。


「そうかもしれませんね。ただ私は4年ぶりに会うのでもう引退されているかもしれません」


 保険はかけておこう。嘘は言っていない。俺の記憶が正しければ師匠はそろそろ50歳になるはずだ。もういい年なんだから引退していてもおかしくはない。


「そうですか。そういえばまだ名を名乗っていませんでしたね。私はウィンティ=ロードと申します」


「これはご丁寧に。俺はタルバともうしま……。ろーど?もしかしてロード公爵家に連なる方でしょうか?」


「はい。私はロード公爵家の長女です。今は魔法学院の生徒という肩書があるので、平民として扱われますが」


 魔法学院の生徒でいる間は貴族としてではなく、生徒として扱われるという決まりがある。魔法学院が設立当初、貴族の爵位によって忖度した魔法しか使えない生徒が多数いたため、そのような制度になったと聞く。

 魔法学院は魔法を学ぶところであって、爵位をひけらかすところではないのだ。だからといって、実力があるから他の生徒を見下すことはない。魔法の実力では上回っても、貴族としての影響力には勝てないからだ。


 古の勇者以降の時代で大体30年前、異世界から転生してきた男がいた。名前をタチバナキヨタカという。この男は平民であったが魔法の才があり、魔法学院に通うことになった。神から与えられた魔法の才で他の生徒を倒しては悦に浸っていたようだ。女性関係にもだらしなく、常に女性を侍らせていた。そんなタチバナが魔法学院を卒業した後どうなったか。簡単だ。死刑になった。


 タチバナによって恥をかかされた貴族や小間使いのように使われていた平民など彼を恨んでいた人間は多かった。物語の主人公にでもなったかのようなタチバナの振る舞いはまともな思考を持ち合わせていた人間には不愉快だった。


 彼の侍らせていた女性の中には貴族もいたが、どの娘も彼の圧倒的な力に酔っていた。彼の力を自分のものだと錯覚して増長していた。貴族と言っても男爵程度だ。普通の家庭教師をつけていれば、魔法学院で他者を陥れるような行動は慎むように言われる。

 井の中の蛙大海を知らず。世の中には彼以上の実力者などいくらでもいるのだ。与えられた仮初の才能で数年頑張ったところで何十年も努力している本物の天才に勝てるわけがない。彼は捕まる際に必死で抵抗したが、うちの師匠や1等級冒険者複数に徹底的に追い詰められた。


 彼は処刑されるときに泣きながら謝罪をしたそうだが、結果は変わらない。自分が選ばれた人間だと勘違いした人間の末路だ。神によって才能を与えられ、転生してくる人間というのは百年に一回くらいの確率で生まれてくる。


 しかし、与えられる才能は大したものではない。運動が苦手な人間に剣術の才能を与えたところで肉体と才能がちぐはぐなのだ。生まれ持って剣術の才能を持つ人間はある程度肉体が才能に合わせて変化する。肉体と才能が合致して初めて人並み以上の実力を手に入れることができる。だが転生者はこれがバラバラなのだ。生まれた時から意識があるため、才能に合わせて肉体が進化していかない。

 その結果才能はあるが、肉体に適合していない人間が出来上がる。もちろん、体を鍛えれば肉体は才能に合わせて変化していくが、並大抵の努力では変わらない。


 古の勇者は性格も優しく、神から与えられた才能にあぐらをかかず、常に研鑽の毎日を送っていたことが記録されている。古の勇者は毎日剣を振り、体を鍛え、遊びごとに現を抜かさなかった。

たった一人の女性を生涯愛し続け、彼女の死後も独り身を貫いた。強者には教えを請い、弱者を守る。そんな古の勇者は転生者の中では最高峰の人間だったのだろう。きっと前世も内面外面問わず、素晴らしい人間だったのだ。


 それに引き換え、他の転生者ときたら元の世界で満たされなかった欲望に忠実で他者を思いやる気持ちがない。自分とその周囲が気分良ければそれでいいのだ。古の勇者のような転生者はいまだ現れていない。神はどのような基準で選んでいるのかというほど、陰湿でねちっこいやり方を好む輩が多いのだ。

衝撃的な自己紹介のせいで思考が彼方へと飛ばされてしまった。今は目の前の公爵令嬢様に失礼のないようにしなければ。


「知らずとはいえ、飛んだ無礼を働きました。大変申し訳ありません」


「いえ、意識のなかった私を助けていただいたのですから、この程度の些事、気にしませんよ。それに敬語はやめてください。今は平民としての生活を満喫しいるので」


「わかりました。では敬語はなくさせてもらいます。これからどうする?俺は王都に向かうが」


「私も同行させてもらえませんか?今は手持ちがありませんが、この短剣によって身元を保証できます。王都まで行けば、お金は払うことができますので」


「わかった。では王都までは送り届けるよ。そのあとはお別れだ」


「わかりました。ですが命の恩人に何もせずに帰すことは家の恥になります。なにかもてなさせていただいてもいいですか?」


「いや、特になにもしていないのだからいいよ。畏まったことは嫌いなんだ」


「わかりました。別の形で恩返ししますね」


「もういいよ。それで」


 ここで押し問答をしてもしょうがない。とりあえずファンタズマに何とか二人乗りして王都に向かった。



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