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ハングリー 精神  作者: 狩瀬G2
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蜂蜜酒

 蜂蜜酒とはその名の通り蜂蜜を原料に作られた、ビールや日本酒同様の醸造酒である。古くはギリシャの神々ですらその味に酔いしれたとも言われている随分歴史のある酒であるが、存在自体はそう珍しい訳でもなく、近所にある24時間営業の大型スーパーでも取り扱っているのだが、200mlで1800円と内容量が少ない割に値段は高く自分では決して購入することのない高級酒であるのだから、私がここまで浮かれるのは必然なのだ。


 この日ばかりは飲食店に立ち寄ることも無く、早々に帰宅。酒はキンキンに冷えているのが私のこだわりだ、風呂に入っている間なら大丈夫だろうと、帰宅して直ぐに蜂蜜酒を冷凍庫に放り込み、いつにも増して素早い動きでカラスの行水を終えた後、冷蔵庫に冷やしてあるグラス類の中からウィスキーグラスを選択、球体状の氷を1つだけグラスに入れ、冷凍庫から蜂蜜酒をやうやうしく取り出し、まるで神職者が御神酒を注ぐかの様にこれまたやうやうしくグラスへと注ぎ入れた。思わず2礼2拍手1礼を行い慎重にグラスを手に取った。


 テイスティングを行うソムリエを彷彿とさせるように、先ずは香りから楽しむ。蜂蜜を原料としたキャンディーの様な甘々した香りは無く、水で薄めた蜂蜜の様な仄かに薫る程度の上品なパフュームが鼻孔をくすぐる。この甘美な香りだけで満足してしまいそうな金色に輝く液体をちまちまと呑むのは私の流儀に反する!ここは男らしく一気に煽るのがこの酒に対する最大の敬意である!


 ゴクリッ!…バタンッ!口いっぱいに広がる甘苦い蜂蜜の味を楽しむことなく私は机に倒れ伏した。

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