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ハングリー 精神  作者: 狩瀬G2
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新たな目標

 見事目論見が外れ、10数年ぶりの涙を流しながら緑茶をあおる。するとどういう訳だか緑茶を飲んだ時は胃に溜まる感覚があり、試しにペットボトルの水を飲んでみるが、こちらも同様に腹に溜まるようであった。急いで家中の酒以外の飲み物を次々と口にしてみるが、これもきちんと胃におさまっている様子で、ピョンピョンとその場で飛び跳ねてみると"ちゃぷんちゃぷん"と胃の中の水分が波打つ音がしっかり聞こえてきた。


 絶望に打ちひしがれる中、どうやら水分だけは確実に腹に溜まることを確信し、一連の様子をポカンと口を開けて見ていた妻を尻目に、半ばヤケクソになりながら更に水1リットルを飲み干してからこの日は床についた。


 翌朝は目覚まし時計が2回スヌーズ機能を発揮するまで中々起き上がる事が出来なかった。何やら寝起きが悪い、まるで二日酔いの様に体が重く上手く力が入らない中、昨日同様妻からの朝食を知らせる声に応え、フラフラと食卓へと向かった。


 今日の朝食は、茶碗に盛られたご飯、焼じゃけ、小粒納豆、ほうれん草のおひたしであった。よく見ると昨日は白米だったご飯が、今朝は麦飯に変わっている。この細やかな気遣いが出来るのが私の妻なのだ。


 さて、よく納豆をご飯にかけて食べる方を見かけるのだが、私は納豆は納豆のみで食す派である。故に麦飯は焼じゃけとほうれん草をおかずに頂き、締めとして納豆に手を付けることとする。皮をパリッと焼かれた鮭はしょっぱ過ぎない絶妙な味付けをしており、妻へ直接凄いなと感想を述べたところ、生鮭は塩1摘みでいいんだよ〜と小ぶりな胸を張りながら教えてくれた。


 ほうれん草のおひたしには削り節と醤油がかかっているため、焼じゃけを箸で一口サイズに切り、その上におひたしを乗せ、それを更に麦飯に乗せて食べていると、あっという間に朝食は納豆を残すのみとなってしまった。もっと楽しみたかったが仕方がないので締めの納豆を食べることにする。付属の垂れとカラシをかけ、そこへ更に自宅に常備してあるチューブのカラシを追加するのが私のこだわりである。


 科学的に、納豆を1番美味しく食べるには、400回かき混ぜる事だと聞いたことがある、そしてタレや薬味は混ぜ終えた直後が最適らしいのだが、色々と試行錯誤した結果、私としては先にタレとカラシを投入してから30回程混ぜた状態が1番自分の口にあっていた。納豆は何回混ぜたって構わない、人の数だけ納豆の食べ方が存在するのだ、納豆イズフリーダム!


 納豆へ思いを馳せた朝食も終わり、相変わらず微塵も腹の足しにならない食事ではあったが、水分を取ることで空腹が満たされることを知った今の私は心に幾許かの余裕を持ち合わせていた。昨日同様出掛けに妻から愛妻弁当を受け取り、通勤に使用する駅の売店で、昨夜家で色々と試しに飲んでみた飲み物とはまた違った種類の清涼飲料水数本と、数種類の栄養ドリンクを購入した。


 通勤ラッシュ時間であるにも関わらずさほど混み合っていない過疎電鉄に揺られながら栄養ドリンクを1本を飲んでみる。


「なるほど、些か不安ではあったが、栄養ドリンクでもちゃんと腹に溜まる感覚があるな」


続いて購入した清涼飲料水の中から豆乳取り出し飲んでみるが、こちらもしっかりと腹に溜まっている様子で一安心する。


 これまで珈琲牛乳、緑茶、水、牛乳、飲むヨーグルト、珈琲、炭酸水、フルーツや野菜のジュース、かき氷のシロップ、焼肉のタレ、栄養ドリンク、豆乳を試したが全て腹が満たされた為、ここからは満たされるものと満たされないものの境界線を探し出すことを目標としよう。マファールと係長の饅頭も満たされた側に入る為、固形物でも条件さえ揃えばちゃんとした食事を取れるはずなのだ。

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