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ハングリー 精神  作者: 狩瀬G2
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100kg未満はたいして太っていない

 私はほんの少しだけ太っている。太っていると言っても、身長と年齢から導き出される適正体重に、まるっと年齢と同等のキログラムを加えた程度であるのだから、如何しようもない正に脂肪の塊といった醜い様相では決してないのである。


 学生時代に動物園で見たローランドゴリラ、所謂ゴリラ=ゴリラ=ゴリラは現在の私と同じ身長であったが、体重は圧倒的にゴリラの方が重かった。あの果物ばかり食べている生粋のベジタリアンであるローランドゴリラが私の体重を遥かに凌駕しているのだから、これだけでも如何に私がたいして太っている訳ではないと言うことが証明されるのだ。


 しかしながら適正体重を超えてしまっていることは認めざるを得ず、社内で私よりも大柄な人間が存在しないのもの相まって、同僚からはしばしば揶揄されることもあるが私は全く気にしていない。食べたい物は好きなだけ食べ、やりたくもない運動は勿論しない、散々好きに生きている結果が今の私を形成しているのであり、私はこの生き方に誇りを持っているのだから何を言われた所で糠に釘、暖簾に腕押し、馬の耳に念仏、蛙の面に水である事は揺るがない事実なのである。


 そんな体型に比例した仏のように広い心を持つ私でも、遠慮と言う単語が欠落した辞書を人生の指針としている我が課の係長には辟易する事も無きにしも非ず、本人は自分の事をフレンドリーの化身とでも思っている様であるが、初対面でも心の壁なんぞ何のその、他人の心の中にズカズカと土足で上がり込み、散々くつろいだ挙句にお土産を要求するかの如きふてぶてしさを持つ人物。それが私が配属された部署古くからにおわします、熊野美係長にあらせられるのであった。

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