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気がつくと美少年だった件

水面に映るその姿は……

美しい銀髪をした物凄い美少年だった。


まるで彫刻の様だ!

エルフ様と言われても納得してしまうかもしれない。


自分の顔を見ながらも思わず見惚れてしまった。


念のため耳を見たけれども人種的にはヒューマンであろう短い耳がそこにはあった。



恐る恐る服を脱ぎながらも自分の状態を確認する。


手足のサイズや身体の特徴をじっくりと観察する。


結果……6歳位の男の子だった。


ありえないほどのイケメン。それ以外はこれといった特徴のない普通の少年だ。


なんとなくそんな気はしていたが、

男の子とは……マジでへこむ。


ついさっき……数時間位前までは女性だったのだから色々と察してほしい。


ある程度キレイになったあたりでミーアに呼ばれる。

どうやら食事の準備ができたらしい。


出されたのは獣の肉を焼いただけの肉の塊と怪しいきのこと何かの葉っぱ、それと肉の欠片の入ったスープ。

石みたいなパンだった。


肉は筋ばかりでハッキリ言って硬くて不味い。

スープはカラフルな見た目によらずきのこが美味だった。パッと見毒キノコなのに不思議だ。

もう少し塩味をきかせてくれたら最高だ。

パンは歯が立たないのでスープに混ぜて飲み込んだ。


「どうやら貴族の御子息様の口には合わなかったみたいだね〜」

硬い肉に苦戦している様子の私を見てミーアがニヤニヤしながら言う。


「そんな言い方しちゃかわいそうよ。

グラスウルフは冒険者でも苦手な人多いじゃない」

フィリアがフォローを入れてくれる。


どうやら獣の肉の正体はさっきの狼だったらしい。

味はともかく筋が多すぎるんだよ!


「それじゃ、こっちの肉はどうかな〜?」

ミーアがそう言ってニヤニヤしながら鞄の中から干し肉を取り出し私に向けてあーんしてくる。


これ絶対、ビーフジャーキー!!


ちょっと塩分は薄いけど噛めば噛むほどに肉の旨みが染み出してくる。


めちゃくちゃ美味しかった。


私が一気に肉を口に入れて頬張りパクついているとそれを見てみんなが笑う。


「それでこの先どうすんだ?」

バンが水を一口飲んで聞いてきた。


「はい。何も思い出せないのでできれば記憶が蘇るまで皆さんとご一緒できたらと思いまして……」

何も知らないこの世界で1人になるのは非常に危険だ。

ついさっきだって魔物に襲われたばかりだしね。


「近くの街まで送っていってあげる事もできるけど」

フィリアがそう言って街のある方向を指差す。


街というのはヒューマンの街で『セントラルシティー』というそうだ。

街の中央には貴族や王族が住んでいるらしい。


「街へ行っても私には記憶がありません。

もし、何かの事情でここに放置されたのでしたら逆に色々と危険な可能性が……」

貴族のお偉いさんの世界は想像するにデンジャーでしかない。


6歳位の子供が山の中で置き去りにされている状況から考えて何かの事件の可能性の方が高い。


無事に自宅に帰れるかも自宅が存在するかも

この子の両親が本当に存在するかも全て疑わしい。


それにもし自分が転生者だとバレってしまった場合、騒ぎになる可能性が非常に高い。


誰かに利用されたり実験台にされたり……

最悪殺されてしまう可能性だってある。


「まあ確かに……あそこは何考えているかわからない連中ばかりだからね」

嫌悪感タップリにミーアが言う。


どうやらミーアは街の人達をよく思っていないみたいだ。


「それにアタシらみたいな者はどうせ街には入れて貰えないしなっ!」

ミーアがにっこり笑って胸を張る。


「えっ……」


「ヒューマン以外は『セントラルシティー』には入れない決まりなんだ!」


なんだそりゃ!?


「でも……」

ミーア以外はヒューマンじゃないの?

ミーアは猫の獣人だとしても他の3人はどう見てもヒューマンだ。


「フィリアはハーフエルフ……(フィリアは耳を見せてくれるが少し尖っている)

リンは獣人とエルフのハーフ……(帽子を外すと頭に小さい丸い耳が見える)

バンなんて……(ミーアは必死で笑いをこらえ様とする)ドワーフとエルフのハーフなんだよ!」

バン以外の3人が爆笑する。


「うるせい! どうせちょっと背の高いドワーフにしか見えねーよ!!」

半ばヤケになりながらバンが怒鳴る。


エルフどこへいった……


バンの耳は全く尖ってはおらずおまけにルックスはエルフの美しさが欠片も見当たらない。


「獣人や特に雑種と呼ばれる混血はヒューマンの街には入れないんだよ」


マジか……

とんだ異世界差別だな。


「でもそうなってくると私は?」

ヒューマンや貴族に対する恨みとかはないのだろうか?


「子供に罪はない!」

ミーアがそう断言する。


「ミーアは子供好きだからな!」

「特に美少年っ!」

「歪んだ性癖」

リンさん辛辣コメント


つまりミーアはショタコンってことか。


「うるさい!! でもアタシらと一緒に旅をするなら寝るときはアタシと一緒だからね!」

ミーアがヤケクソ気味にそう言った。


まあ別にそれ位ならいいけどね。


「でもそうなると名前はなんて呼んだらいいかしら?」

フィリアがそう言って私の顔を覗き込む。


「はい! ゼロって呼んでください。」

何もないから0って事でいいよね。


「ゼロか〜、悪くはないんじゃない。

 よろしくゼロ。」

ミーアがそう言って握手してきた。

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