初めての魔法武器
「すっ、すっ……すっごぉぉーいっ!!
マジで何なんですか?
この剣マジでヤバくないですか?
ほんっとうに……あり得ない!!」
こんな凄い武器があったらどんな魔物だって一撃だ。
興奮冷めやらぬままエリックに迫る。
「ハハハ……
思ったよりも喜んでもらえてなによりだよ」
エリックが困った様に笑う。
「実はさっき君が試した3つの剣はどれも性能が違うんだ。
1つ目は普通の剣。
2つ目は魔法武器で使用者の魔力を使って攻撃する事ができる剣。
そして3つ目も魔法武器で魔石の魔力を消費して魔法剣として使える剣なんだ。」
そう説明してエリックは先ほど使った3つの剣を並べる。
「私に魔力がないから1つ目と2つ目は普通の剣と同じ攻撃になって、3つ目は魔石の力を使ったから炎の斬撃になったという訳ですか?」
「うん、その通り!」
エリックは頷いた。
「だったらずっと3つ目の武器を使っていれば魔力ゼロの私だって魔物とも上手く戦えるんじゃないですか?」
魔力がないなら魔道具を使えばいい。
「そう思うでしょ?
でも3つ目の武器にはいくつかの大きなデメリットが存在するんだよね」
エリック目がキラリと輝く。
まるで私の質問を待っていましたとばかりに嬉しそうな顔をする。
確かに、魔力が無くても魔法が使える武器っていったら誰だって使いたいし、もっと一般に普及していていいはずだよね。
「1つ目のデメリット魔法効果が常に一定」
エリックはそう言うと3つ目の剣で新しい『わら人形』2回攻撃をする。
私が先ほど全力で剣を振るった時と同じ大きさの炎の斬撃が(攻撃は人形を上中下3つに分けたうちの)
1撃目は上段、2撃目は中段に当たりきれいに2回切断される。
全くぶれる事なくきれいに剣を扱う仕草からもエリックの剣の腕がかなりのものだとわかる。
「これだと攻撃が短調になり過ぎて高レベルな魔物や腕の立つ悪人相手には通用しない。
だから本来の魔法剣はこう使う」
そう言ってエリックは2つ目の魔石の無い魔法武器を手に新しい『わら人形』に2回攻撃する。
1回目は小さい炎を纏い人形の下段を切断し、
2回目は燃え盛る大きな炎を纏った攻撃で人形の中段を斬撃と共に燃やし尽くした。
1回目の攻撃は威力よりもスピード重視で、2回目の攻撃はスピードよりも威力を高めた一撃といった感じだ。
あまりの凄さに息をのんだ。
「そして、2つ目のデメリット魔石の魔力を使い果たしたら魔法は使えない。
そして、高価な魔石を再び使える様にするにはコストがかかる」
魔物との戦闘中に武器が使えなくなってしまったらそれこそ命取りになるだろうし、
コスパが悪いのっていうのは地味にキツい。
変に戦闘で魔石をケチってしまうと命の危険に繋がる可能性もありそうだ。
3つ目の剣を取りエリックが言う。
「これは僕が趣味で作った剣だけど、正直あまり実戦向きでは無いんだ。
魔石を消費する事で使える魔力の限界もあってこの剣の威力だと実戦で使えるのはEランクの魔物程度なんだ。
それ以上になると攻撃が通らない!」
マジか……
この世界の魔物の強さに正直ガッカリする。
強過ぎるんじゃないのか……
「そこでゼロ君専用に新しい武器を考えて来ました!」
エリックがドヤ顔をする。
「新しい武器って?」
何だろう?
「これだ!!」
そう言ってエリックが投げナイフを取り出して見せる。
「ナイフ?」
武器って言っていたので別の新しい魔法剣を期待してしまったので少しガッカリしする。
「もちろん、ただのナイフなんかじゃない!
これは使い捨ての魔道具になっているんだ」
エリックの目がキラリと輝く。
「マジか!?
でもどうして使い捨て……?」
何回も使えた方がいいし、もったいなくないのかな?
「使い捨ての場合だと武器本体に加わるダメージを考慮しなくて済む。
その分一回の威力を限界ギリギリまで高めるられるから魔石の力を無駄なく全てを一撃に込められる。
つまり最も効率よく最大の威力を発揮できるってわけなんだ」
なるほど。
「ゼロ君の場合は通常の身体能力は誰よりも優れていて剣の腕も悪くない。
通常の攻撃で相手のスキを作り魔道具でトドメを刺したりまたはその逆でもいい!
投げナイフは1回限りの使い捨てなので込める魔法も自由自在で戦闘の幅もグッと広がる」
エリックは自信たっぷりにそう言った。
「一つだけ問題があるんですけど……」
私は恐る恐る右手を上げる。
「ん?どうしたんだい?」
「自分、投げナイフ使えないっす」
その後死ぬほど練習した。




