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異世界1日目(1)

目が覚めると薄暗い洞窟の中にいた。


洞窟というよりも洞穴的な場所だ。

昔何かのTVで見た様な冬になると熊が冬眠をする感じの洞穴の中だ。


やけに涼しくて入り口からは光が見える。


私は無意識に光を求めて外へと向かう。


外に出るとそこは見た事のない山の中だった。

少し先に川が見える。


空気がとてつもなく澄んでいてどこかから鳥のさえずりさえ聞こえてくる。


ピクニックをするには最適な場所に私は1人でいる。

洞穴の中にも近くの川の付近にも人の気配は全く感じられない。


ちょっと待て


意味がわからないんだが……


徐々に混乱しそうになる思考を落ち着かせつつ川の方へ歩き出す。


ついさっきまでは配送センターにいて仕分け作業をしていたはずだ。


数歩進んだ所で嫌な予感がしてふと立ち止まる。


突如、目の前に現れたのは自分の3倍くらいの大きさの狼。

涎をダラダラと垂らし、まるでご馳走を目の前にした獣の様に眼を爛々と輝かせている。


一瞬息が止まる。


怖くて動けない。

必死で逃げ道を探すべく周囲を目だけで慎重に見渡す。


目の前の狼をボスと考えてその斜め後ろ左右にボスよりも少し小さい狼が2匹見える。


絶対に逃がさない獲物を狩るためのフォーメーションだ。


自分の心臓の音がやたらと大きく聞こえる。

身体が一気に冷たくなり冷や汗が溢れ出す。


逃げなきゃ殺される!


右、左、後ろ……一瞬考えて全力で前に向かって走り出す!


できるだけおもいっきり大きな声で叫びながら狼に向かって全力で駆け抜ける!!


「うおおおーーーっっ!!」


いきなり奇声を上げて向かってくる獲物に対して、狼は一瞬怯んだ。


そのわずかな隙を見過ごさずとにかく全力で走り抜ける。


わずか数十メートル走ったであろう場所で再び狼達に囲まれてしまう。


人の足では狼の速さにかなうわけがない。


こんな所で死んでたまるか……


絶対に足は止めない!

バクバクする鼓動をムリヤリ押さえ込む様に息を大きく吸い込んで再び叫びながら走り出す。


「誰かー!たすけてー!!」


狼が左手首に喰いつく

それを無視するかの様に右手で喰いついた狼を躊躇なく全力で殴る。


幸い狼は私を一撃で仕留めるつもりはないみたいだ。じっくり嬲り殺しにするつもりらしい。


酸欠で痛みと思考がぼんやりしてくる。

これ以上逃げ切れないそう思った時、右の茂みの方に何かの気配を感じる。


一瞬の躊躇もなく無我夢中で茂みの方へと転がる様に飛び込んだ。


目の前にいたのは熊みたいな大男。

斧を片手に持ちもう片方は盾を持っている。


「くそっ、めんどくせーな……」


足元に転がる私を見て熊はそう呟いた。


どうやら熊達は現在戦闘中で超大型のカマキリを相手にしている様だった。


赤毛で猫耳を付けた豊満なバストの女性が剣でカマキリの刃をいなしている。

青色のキレイな髪の女性が何やら呪文(?)を呟いている。

紫色の帽子の女性が杖からバスケットボールサイズの炎を放つ。


「ファンタジーだ……」


今の攻撃でカマキリは1体が倒れ残り2体。

さらに後ろからは私を追ってきた狼が3体。


熊のパーティーは計4人。

敵は計5体…最悪な形で囲まれている。


「一気に行くよ! リンは火力最大で、フィリアはフォロー、バンとアタシは敵の足止め!」

猫耳女剣士の命令でパーティは円を描く様に一気に纏まる。


熊と女剣士が敵の前で相手をくいとめる。

紫の帽子が呪文を呟き、青い髪の女性から柔らかい光がパーティーを優しく包み込む。


狼にやられた左手首の傷の痛みがかなり和らいだ気がする。


熊と女剣士が敵から離れた瞬間……

巨大な炎が辺りを包み込む。

紫の帽子の魔法らしい。


……。


あっという間に敵は全滅した。


ほっと一息付くとファンタジーなパーティーに囲まれる。


「どういうつもりだこのガキ……」


熊に襟首を掴まれ思いっきり凄まれた。

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