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魔力0と教会

辺りが暗くなり人通りもまばらになった頃……

いよいよ教会へと出かけることになった。


教会は町の中心にあり古びた他の建物とは浮いて見えるほど違和感がある。


教会は何か神聖な力で守られているらしく建物が風化して朽ちる事はないらしい。

まるでつい最近作られた新築の建物の様な佇まいでどこか神聖な雰囲気を醸し出している。


一説には町を魔物の脅威から守っているの周囲を囲う防護柵や警備兵や冒険者などではなく教会の神聖なる加護のおかげだとも言われている。


教会の敷地内には孤児院が併設されておりこちらは教会ほどは豪華な作りにはなっておらず比較的普通の建物になっている。


ミーアを先頭に私、リン、フィリア、バンの5人全員で教会の裏口にいる。


今回の目的は私のステータスを確認するだけなので、案内のミーアと私の2人だけで良かったはずだ。


みんな私のステータスが気になるらしい。


ミーアが扉を小さくノックする。

数秒後にシスターが顔を出す。

見た感じ20歳位のヒューマンだ。


「お待ちしていました」


「シスターアグネス。無理を言ってすまなかったな。

 こいつが昼間言っていたゼロだ。」

ミーアはそう言うと私の背中を押してアグネスに紹介してくれる。


「どうぞ」

アグネスは私を一瞥だけし中へ案内してくれる。


どうやらミーアは今日のステータスボードの件を無理やり頼み込んだらしくシスターは少し不機嫌そうだ。


私は丁寧にお辞儀をしてから教会に入ることにした。



通されたのは教会の広い礼拝堂の間。

そこには4メートルくらいの大きな大理石でできた石板がでかでかと飾ってある。

装飾は非常に立派で龍が水晶か何かを加えている様な彫刻がされている。


金額にしたら金貨何十枚もしそうなほどに無駄に立派だ。


「それでは神に祈りを捧げなさい」

シスターアグネスが神妙な面持ちで神に祈りを捧げる。


ミーアとフィリアとリン、バンまでも神に祈りを捧げる仕草をしている。


私はミーア達仲間の真似をして祈りを捧げる仕草をする。

「ゼロ、手をここに……」

アグネスはそう言って私の手を石板に誘導する。


手の平を石板に付ける。

石板は少しヒンヤリとして冷たい。


実は全然上手く神様に祈りを捧げられてなくて

『天罰とか降ったら嫌だな』などとどうでもよい事を頭の中で考えてしまう。


幸い私に天罰が下ることはなく、石板は美しいブルーの光に包まれる。

現れた文字はたったの三行だった。


大袈裟な石板に現れた私のステータスは……


名前:ゼロ

種族:ヒューマン

魔力:0


え……?

これだけ?


RPGゲームのステータス画面をイメージしていたので正直ガッカリ感が半端なかった。


レベルは?

HPは?

力は?

素早さは?

経験値は?


思っていたのと表示されたデータ量の差に愕然とする。


「え? これだけ……?」

ショックを受けていると


「魔力0って???」

驚いた様子でフィリアが呟く。


そういえば魔法を教えて貰っていた時にフィリアは『魔力がない人間なんて存在しない』と言っていたな。


ひょっとしたら私が異世界人だから魔力が無いのかもしれない。


私のいた世界では魔法なんてものは存在しなかった。

魔法がないということは魔力ももちろん存在しない。


だから【異世界人である私には最初から魔力なんて存在しなかったのだろう】

そう結論付けると、急に仲間の反応が心配になってくる。


魔力ゼロの異世界人だからって

『騙したな!?』

などと突然キレられて問答無用で殺されるってことはないよね?


不安になりチラリと仲間たちに視線を向ける。


「シスターどういうことだ?」

ミーアが物凄い勢いでアグネスに迫る。


「珍しいですね。獣人には時々魔力0は現れますが、ヒューマンの魔力0は初めて見ました。」

落ち着いた様子でアグネスが応える。


他にもいるってことは……転生者とは関係ないのか?


「魔力0だとどうなるの?」

できるだけ冷静を装って聞いてみた。

異世界人だと疑われていないことをひとまず安心する。


「獣人の魔力0は魔法が全く使えません。

ただ普通に生活する分にはこれといって問題ありませんが……」

アグネスが私の様子を見て慎重に言葉を続ける。


「働き者の獣人の中には魔力0の者がいるとも聞いております。

ただ……魔力0のヒューマンですが……」

更に言いにくそうにこちらの様子を探ってくる。


「魔力0のヒューマンはどうなの?」

私はストレートに聞いた。


「……病気で全員亡くなっているので魔力0のヒューマンが存在すること自体がまずあり得ません!」


なんだって!!


そもそも魔力0というのは、

1.魔力を蓄えておく魔力袋が先天的に欠損して生まれてきた。

2.後天的に自らの膨大な量の魔力をコントロール出来ずに暴走し魔力袋を破壊してしまった。


上記2つのどちらかによって起こる現象らしい。


前者の場合は獣人に多く元々魔力量が少ない獣人は、【魔法が一切使えない以外には、特に生活に支障は出ない】


後者の場合はヒューマンに多く【魔法が使えないどころか魔力暴走の時点で必ず命を落としてしまう】そうだ。


先天的に魔力の多いヒューマンが魔力0というのは絶対にあり得ないということだった。

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