女神との対話
目が覚めるとそこは真っ暗な空間だった。
目を開けても閉じても広がるのは変わらぬ真っ暗闇。
どこからか小さな声が聞こえる。
「〇〇……あなたはこれから今とは違う生を受けます」
はいはい……よくあるラノベ展開ね。
転生ものは休憩時間によく読んだっけな〜。
「……そこでは、文明レベルは中世ヨーロッパ……。
……。……人間と呼ばれるヒューマンや……。
……魔王などが居ます」
説明が異様に長い……。
ハッキリ言ってどうでもいい。
魔王を倒す為の勇者様になれってか?
くだらない。
「……ではあなたの希望を教えて下さい」
いきなり話を振ってきやがった。
漫画や小説の世界では転生時に希望したスキルを自分で選んで異世界で無双できる話がたくさんある。
中世ヨーロッパか〜。
こっちの世界では旅行とか全然行けなかったし、いざとなったら配達の仕事で食いつなぐのもいいな……。
「行った事がある場所に瞬間移動できる能力が欲しいです」
「魔力や魔法はどうしますか?」
あったら便利だけど、正直よくわからないしどうでもいいけど……コレだけは言える。
「戦えるスキルはいりません!!」
変な争いに巻き込まれるのはごめんだ。
「そう、あなた確か前世では格闘技のチャンピオンだったわね」
「そんな事はどうでもいい……」
自分は戦いや強さなんていう世界とは決別したんだ!
格闘技のチャンピオン?
確かに『フェアなルールでフェアな場所なら』誰にも負けないさ。
しかし、そんなモノは強さでもなんでもない。
「さあ、さっさと転生でも何でもしてくれよ!!」
この世界の女神は本当にクソヤローだ!
これ以上コイツといる事の方が苦痛だった。
そこで意識が途絶えた。
☆
【女神サイド】
ふーん。
今回の転生者はそうとう捻くれているわね〜。
まあ、本人に希望は聞いてあげたけれども『それをそのまま叶えてあげる』なんて一言も言っていないし、スキルなんて別に全部こっちが決める事もできるんだけどね。
『戦えるスキルはいりません!!』
ばっかじゃないの!
あっさり殺されて終わりじゃ賭けにもならないじゃない!
幸い生前、悪い人ではなかったから特典ポイントもたっぷりあるしアタシが特別に振ってあげるね♪
転移能力と魔力ゼロ♪
余ったポイントは全部ルックスへ♪
せっかくの異世界転生なんだから新しい性別で頑張って貰っちゃおうかな♪
うふふふ……♪




