共闘ワイルドボア!
午前中一気に移動した事もありしばらくは安心して狩りに集中できそうだという事で再び狩り再開。
やはりさっきの移動は強敵レッドベアを避ける為に大きく場所を移したそうだ。
少し進んだ所でバンが弓を射る。
茂みの中に何かが倒れる音が聞こえる。
「来たぞ」
バンの声を合図にフィリアが動き出す。
茂みから飛び出して来たラビットホーン(大)に杖をかざしと空中で動きを止める。
魔法のタイミングに合わせてミーアが剣を振るう。
「コレで3vs2!」
「いや……3vs3だ!」
そう言ってバンは再び茂みに向かって再び矢を射る。
今のやり取りでバンはラビットホーン(小)を2匹
ミーアがラビットホーン(大)を1匹倒した。
「こいつが思ったより食うからよ……どんどん狩るぞ!」
バンが私を指して笑う。
ご飯足りないのバレてた。
午後になってから狩りは絶好調でその後もバンはホロホロ鳥3羽とラビットホーン(大)(小)各1匹づつ。
ミーアはラビットホーン(大)(小)を2匹と1匹。
グラスウルフ1匹を狩った。
グラスウルフは獲物の数に入らないのでバンが1匹多く狩っている事になる。
「ここからは共闘しない?」
不意に立ち止まりミーアが言う。
「いいね! 丁度俺も同じことを考えていたところだ」
そう言ってバンは弓から斧へと武器を持ち変える。
「ゼロは少し後ろへ下がって
フィリアは落とし穴、リンは誘い出して」
ミーアが指示を出す。
リンが石礫の魔法を茂みへと放つ。
威力はあまり無さそうだが……
そう思った瞬間3〜4メートル位の大きなイノシシがこっちに向かって真っ直ぐ突っ込んで来る。
フィリアが地面に向かって何かを呟いている。
地面が光ったと同時に大きく陥没する。
そこに見事にイノシシが嵌った。
間髪入れずにミーアがイノシシの首元に剣を突き刺す。
イノシシの動きが鈍くなった所を狙って
バンが止めの一撃とばかりに斧でイノシシの首をぶった斬った。
狙う獲物によって使う武器を使い分ける。
メンバーと協力して狩る。
狩りには色々な方法があっていかに安全で効率良くやることが大切なんだとバンは教えてくれた。
倒した魔物はワイルドボアでEランク。
あの巨体でグラスウルフと同じ脅威度って少し納得がいかない。
ワイルドボアの解体作業は落とし穴を魔法で元の平らな地面に戻してから行った。
穴の中からあの巨体を引きずり出さなくて済むことを考えるとやっぱり魔法は便利だ。
ちなみに落とし穴の魔法はそのままにしておくと誰かが落ちて大変なことになるらしく元に戻しておく事がマナーらしい。
確かに他の冒険者が旅の途中落とし穴にハマってしまったら大変だ。
今回は素材を痛めずにきれいに討伐できたので狩りとしては100点満点なんだとバンが嬉しそうだ。
毛皮をきれいに剥いでから肉を切り分けた。
これだけ状態が良いと高く売れそうだ。
明日は『シルバーレイク』の町に入るので準備の為に今日は早めにキャンプにする。
『シルバーレイク』は獣人や貧困層が多く住んでいる為、非常に治安が悪く貴族はもちろんヒューマンの平民ですらほとんど寄り付かないそうだ。
この国ではヒューマンの位が高く獣人と揉めた場合は100%獣人側を極刑にする決まりがあり、
ヒューマンだと分かると町に入らない様に色々と配慮されてしまうそうだ。
万が一トラブルにあった場合、問題が大きくなる前にヒューマンだけを秘密裏に処理して問題をなかった事にされても堪らない。
その場合処分されるのはヒューマンである私だ。
私がヒューマンである事は絶対にバレてはいけない。
更に町には人攫いやスリや詐欺などの犯罪行為も多発している為、絶対に1人になってはいけない。
子供は人攫いのターゲットになりやすく非常に危険だ。
もしスリに遭ったら、相手にその気が無くてもヒューマンから物を盗んだ獣人は極刑になる為、どこで盗んだのかで確実に騒ぎになる。
私が持っている剣や魔石は非常に高価な物なのでヒューマンの持ち物だと一発でバレてしまう。
高価なアイテムは取引時に魔法で出所を確認するらしく、そのアイテムが元々誰の持ち物だったか調べがつくそうだ。
なので獣人冒険者は例え亡くなったヒューマンを見かけても遺体やアイテムには一切触れないんだとか……
逆に獣人の遺体を見かけた場合は装備品や持ち物を盗んでも罪に問われる事はない。
後者の場合は問答無用で全て持ち帰るらしい。
犯罪に巻き込まれるのも絶対にダメだ!
そこで色々と準備することになる。




