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強敵レッドベア!

しばらく進んで行くが獲物の気配はまだしないらしい。


昨日と違い採取は殆ど行わず、移動と狩りに集中しているみたいだ。

もしかしたら、あえて採取のないルートで進んでいるのかもしれない。


「なんかいつもより獲物の数が少なくねーか?」

周囲の様子を探りながらバンが言う。


「確かにいつもより魔物の気配が少ないかもしれないね」

ミーアも慎重に周囲を探っている。


何かのフラグっぽいな?

話を聞きながらそんなことを考える。


不意に足を止めてバンが弓矢を射る。

ドサっという大きな音が聞こえる。


「ホロホロ鳥か……」

ミーアが呟く


「コレで2vs1だ!」

バンがミーアを挑発する。


バンと共に射った獲物の元へと足早に向かう。

不意に木陰からラビットホーン(小)が飛び出して走り去っていく。


一瞬ビクッとしてバンを見る。

バンはラビットホーン(小)を狙うことも獲物を回収することもなくただじっと何かを考え込んでいる様にも見える。


一歩獲物の方へ足を進めた時、突然バンに襟首を引っ張られる。


次の瞬間木陰から5メートル程の赤い大きな熊が現れる。


バンはゆっくりと私を担いで後退る。

何かを話そうとするがバンが首を振って無言を合図する。


私達が離れると熊は真っ直ぐホロホロ鳥の元へと向かっていく。


ある程度ゆっくりと魔物から距離を取ると全力でパーティーの元へと走り出す。


「レッドベアだ!」

パーティーにバンがそう告げるとメンバーの顔色が一気に青くなる。


「今は俺のホロホロ鳥に気を取られているから大丈夫そうだけど……」

「先を急ぐよっ!!」

ミーアはそう言ってナイフが刺さったままのラビットホーン(小)を無造作に荷物へ放り込む。


さっき見かけたラビットホーン(小)はミーアが投げナイフでしっかり狩っていたようだ。


足早に移動を開始してから10分以上経った所で足を止め水を飲む。

ミーアが辺りの様子を探りながら口を開く。

「どうやらレッドベアはバンの獲物が目当てだったみたいだね」


追って来てはいない様でほっとした。


「レッドベアはDランクの魔物だから見かけたら全力で逃げること!」

フィリアが教えてくれる。


Dランクって言うと……

今まで会った魔物の中で1番強いってことね。


どれくらい強いのだろうか?

そう思いリンの顔を見る。


「……貰ったら即死」

リンは熊が引っ掻く動作をして首を振る。


……なるほどね。


「でもせっかくの獲物勿体なかったですね」

バンの獲物は今頃レッドベアのお腹の中だ。


「安いもんだ!

俺らの命に比べたら全然安い!

俺の獲物だけで済んで本当に良かった……」


もしかしたら私が思っているよりも危険な状況だったのかも……

そう思うと今になって急に怖くなった。



そのまま昼食になるまでひたすら移動をした。

その間狩りや採取は一切しなかった。


獲物や採取する為の薬草が見つからないのか?

レッドベアの様な危険な魔物が現れたから警戒したからか?

とにかくひたすらにミーアの後を付いていった。


水場に着くとさっき狩った獲物を解体する。

バンがホロホロ鳥と焦げたラビットホーン(大)を

ミーアがラビットホーン(小)をそれぞれナイフでカットする。

私がそれを横から眺めている感じだ。

目で見て覚えるべし。


昼食はそのままちょっとしたバーベキューになった。



昼食後、ミーアから投げナイフを教えてもらう。

飛び道具が使えたら1人で獲物を狩ることができるかもしれない。


投げナイフのやり方は非常に簡単。

的に向かって真っ直ぐ投げるだけだ。


ミーアがお手本に木にナイフを投げる。

ナイフがきれいに突き刺さる。


ミーアを真似て投げてみる。

ナイフの持ち手部分が木にぶつかって落下する。


再び投げる。

ナイフが落下する。


それを数十回繰り返す。


コレは思ったよりも難しいかも……


そろそろ移動の準備に入る。

まだ一度もナイフは木に刺さらない。


最後に……

そう思い全力でナイフをぶん投げる。

ナイフは木に当たって跳ね更に地面にある石に跳ね返り真っ直ぐに自分に向かって飛んできた。


不意に真剣白刃取りの要領でナイフをキャッチする。


……。

危なかった。


運良く誰にも見られていなかったので、そのままパーティーに合流した。


こっちに来て動体視力でも良くなっているのかな。

ミーアの投げナイフはそのまま1本だけ貰うことにした。

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