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”どうしてこんなことになったんだろう?”
そんな思いがカインの頭の中に浮かぶが今はそんなことを考えている場合ではない。
やらなければやられてしまうのだ。
やるしかない。
「本当にやるのか?」
アトラスがカインの方をチラリとみる。
その額には運動もしていないのに汗が流れている。
これからすることを考えると屈強なタフガイである彼も手が震えている。
「やるしかないんだ。俺たちは必ず生き残るんだ」
カインが仲間たち一人ひとりの目を見る。
皆、やることは分かっている。
しかし踏ん切りがつかないのだ。
これからやることに対して、そのことの重大さに対して気後れしているのだ。
「やるしかないんだ。それがどんな結果になるとしても」
カインが一段と大きな声を上げると、皆がうなずく。
決意を固めたのだ。
”そうだ、やらなければならないんだ。”
カインがまるで自分の胸に言い聞かせるように、その胸の中でつぶやく。