漫才:君の名は
ボケ:なあ、君の名は って知ってる
ツッコミ:知ってるなー。あれやろ?入れ替わるやつ
ボケ:え、入れ替わる?
ツッコミ:若い男女が出てきてな
ボケ:若い……男女?
ツッコミ:男の子の方は東京に住んでて、女の子は岐阜に住んでてな
ボケ:とうきょう……?ぎふ……?
ツッコミ:いや、無知にも程があるやろ!一体何を知ってんねん!逆に!
ボケ:まあ、それはええねんけどさ。僕な、あの映画観てめっちゃ感動したんやんか。だから、あれをここで再現してみるっていうのはどうやろ?
ツッコミ:まあ、ちょっとめんどくさいけど、相方のお前の頼みや。やったるわ
ボケ:ありがとうな
ツッコミ:ええよ
ボケ:じゃあ君は主人公の高校生の男の子やってくれ
ツッコミ:おう、分かった。確か、滝くんやったかな
ボケ:そして僕が、世界観をやるから(後方にスタスタ移動する)
ツッコミ:へっ?
ボケ:スゴーーー!スゴーーー!(両手を振り回しながら、白目をむく)
ツッコミ:……
ボケ:ふしゃーーー!ふしゃーーーー!(両手を上げ、お腹を回しながら、180度ずつ回転する)
ツッコミ:ちょっとごめん。こっち帰ってきてもらっていい
ボケ:(無言でマイク前まで帰る)どうしたん?
ツッコミ:とりあえず謝ろっか。一旦。お客さんに。
ボケ:えっ、この爆笑中のお客さんに!?
ツッコミ:どこがやねん!目と耳ついてへんのか?
ボケ:あ、それ。
ツッコミ:なんや?
ボケ:あの、名シーンのやつか?
ツッコミ:こんなシーンないやろ!あの爽やかな映画のどこで”目と耳の在処”を問うんや!
ボケ:あれぇ?もしかして、僕と君で見てる映画が違うんかな?
ツッコミ:え、”君の名は”やろ?
ボケ:あーー!!(何かに気付いたように)はっはっはは、そういうことか
ツッコミ:あー、違うんかいな。そりゃ話が噛み合わへんわけやな
ボケ:そうやんか、僕が観たのは……あれ、何やったっけ?
ツッコミ:え、ここで忘れる!?
ボケ:あれ、映画の名前……何やったっけ...?そもそも僕はどうしてここに来た?
ツッコミ「漫才しにきたんや」
ボケ:そうだ、ここに来たのは……あいつや、あいつに会うために来た。(後ろでツッコミ「誰やねん」)助けるために来た。誰だ、誰、誰に会いに来た?大事な人、忘れたくない人、忘れちゃいけない人...!誰なんだ...?名前は...!
ツッコミ:絶対見たん一緒の映画や!間違いない!そのシーンはめっちゃ見覚えあるわ
ボケ:あれ、そういえば、君はどなたですか?
ツッコミ:相方のことまで忘れんな!もうええわ
終わり