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お金と人間
最近の哲学や思想、または宗教の貧困についてこう思います。
どれも、お金と向き合っていないと。
現代社会において、お金は私たちの生活に大きな意味をもっています。
大きいどころか、人生のほぼ全てを形作り、お金のあるなしは、時には、生死を分けます。
どの現代思想も現代哲学も、宗教も、お金の存在について論じてこなかった..論じられなかった?
私たちは電気ないところで、昼は田畑を耕し、夜は囲炉裏の側で藁を編むなんて生活に、今さら戻ることはできません。
いや、戻りたいとも思いませんが。
この社会において、いえ、異世界においたって、漫画だって、お金の流通しない世界を構想することは不可能に近い。
どんな高尚な理想も、説法も、夢も、希望も、祈りも、腹が減ってはただの世迷い言です。
心の平穏なぞ、安心した生活が望めなければ、個々人に訪れるはずもない。
全ての人の幸福において、すべからく先立つものはお金といっても過言でないと思います。
だから、お金を論じることが、人間の存在について知ることと同義と思うのです。