学祭 ~一回生:柊の彼女編 2 ~
モブはどう頑張ってもモブなんですか!!!!!
学祭当日、俺達はまずはそれぞれの部活動に励む!
っというか、俺達文化部が学祭で活躍しなくて、
どうするかと思ってしまう!
なのにあの藤本の馬鹿と来たら・・・
「柊は学祭の初日を天文部の模擬店の参加を休みにしているらしい。
ということは、初日に彼女が来るって言うことだ!」
「分かった、じゃあ、その日は朝からスタンバっておくぞ!」
「ちょっと待て!藤本!俺もお前も学祭初日の午前中は、
それぞれの部のステージがあるじゃないか!!」
「そんなの休めばいいじゃないか!!」
「バカか!!休めるわけないだろう!!」
「この愚か者!俺は休むぞ!!」
そう言っていた藤本であったが、次の日の夜、
「・・・ダメだって。休むなら退部届を持って来いと言われた・・・。」
「そりゃそうだろうな・・・。」
結局俺達は昼から柊達にアタックすることにした。
「昼までいるんだろうか?」
「ああ、どうやら、柊は彼女さんと一緒に俺達の部活のステージを観にきてくれるらしいぞ!
だから、先に演奏する軽音部の俺が終わったら、柊のそばにいるよ!」
「なるほど!わかった!!宜しく頼む!
俺も終わりしだい、そっちに合流しようではないか!」
こうして俺達は学祭に強い決意で臨むのであった!!
ステージからは柊達の姿がハッキリと見える!
なぜなら・・・
ステージ前にいる観客が3人しかいないから・・・
え?
こんなに俺達って人気なかったんだ・・・
っていうか、おかしいな・・・
俺、いつも一緒にいる友達って10人くらいいるはずだけどな?
・・・あいつら・・・俺だけが友達と思っていたのだろうか・・・
ちなみに3人の内訳は、
柊
柊の彼女さん
いつもいる友達1人
・・・
全員身内じゃね?
何かテレビや雑誌で見てたものと違う・・・
そんな時にふと気がついた!!
そっか・・・朝だからか!!!
ってなるかよ!藤本じゃあるまいし!!
俺はしっかりと現実をかみしめる。
ちなみに俺達が演奏を終えた頃には、人も増えていた!
9人!
すごくない?
だって3倍に増えたんだぜ!!
・・・たとえ次の軽音部のバンドの知り合いだったとしてもさ・・・
・・・ていうか、先輩達が演奏するんだけど、
そっちも9人っていうか、柊達は俺達のだから、6人しかいないなんって・・・
軽音部ってもっと人気があるんじゃなかったのかな?
俺は意気消沈しながらも柊達のところへと向かう。
ある種、ステージで演奏していたよりも緊張する・・・
俺の人生がかかっているから?
いや、違う!
それは・・・
柊の彼女さんがめっちゃ美人だからだ!!
ステージ上で見た時に、思わず見とれてしまうほどの美人だった・・・
あんな人が彼女だとうちの学校でも美人であろう岩崎さんや坪倉さんに
言い寄られても靡かないわ!!
そんな人に今から声を掛けなきゃいけないのか・・・
思わずギュッと掌を握りしめてしまう。
「お疲れ!良かったよ!」
俺が緊張しているのを知ってか知らずか柊の方から声をかけてくる。
「・・・お、おう!」
思わず声が裏返ってしまう。
だって仕方ないじゃないか!
めっちゃ小顔を!!
え?なんかモデルか何かしてるんですかね?っと尋ねたくなる。
雑誌に出てもおかしくないレベル・・・
いや、芸能人か?
とにかく!こんな美人を今まで見たことない!!
・・・あ!?俺、男子校出身で女子とほとんどふれあったことなかったわ・・・
違う!違う!
そもそもレベルが高すぎるんだ!!
「・・・何を1人でテンパってるんだ?」
「ぐはぁ!?なぜバレてる!!」
「・・・バレてないと思う方がおかしいだろう?
とりあえず森永は、あとは自由な時間なのか?」
「あ、ああ。」
「じゃあ、俺達と一緒にいる?少しだけ屋台を見てから、
またステージでオーケストラ部の演奏を観ようかと思ってるけど。」
「い、いいよ。」
その後、簡単な自己紹介を済ませてから柊達と一緒に行動するのだが・・・
「ほら、ジュース。」
「あ、あ、あり、ありが、ありがとう。」
・・・
俺・・・
ものすごく緊張してるんですけど!!!
さっきから言葉がまともに出てこないし!!!
ちょっと自分のポンコツ具合にビックリなんですけど!!
っていうか、さっきから気を使ってか柊の彼女さんが俺に話かけてくれるのだが、
まともに答えてる気がしない!!
「歌うまいんですね。」
「は、は、はいぃぃぃぃ!!」
「ギターは昔からしてたんですか?」
「は、はぁ、はいぃいいい!!」
・・・何で“はい”って返すことすらできないんでしょうか・・・
自分が情けなさすぎます・・・
その後、近くの屋台を観たら、どうやらオーケストラ部の演奏時間になったようで、
柊と共にステージ前へと移動する。
先ほどのまでの軽音部との観客数とは全然違い、
用意してある座席も結構いっぱいになっている!!
・・・やっぱり部員数の違いなんだろうか?
それとも美人率が高いオーケストラ部だからこそ
こんな人が集まっているのだろうか・・・
決して、演奏のレベルが違うからってことは認めたくない・・・
っていうか、藤本を見る限り、そんなにレベルが高いようには思えない・・・
偏見なのは分かっている・・・
だけど・・・
あんな練習もまともにしない藤本がうまいはずがない!!
っていうか、うまくないで欲しい!!!
だって、こいつに音楽の才能があったら、俺と一緒のモブじゃないじゃないか!!
お願い!神様!!
藤本も俺と一緒のモブにしてください!!!
切に願います!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。