学祭 ~一回生:柊の彼女編 1 ~
人の彼女は何だか一段可愛く見えるのは・・・隣の芝生は青く見える的な感じ?
柊の彼女が学祭に来る!!!
この情報は学年全体に衝撃をもたらした!!
いや、主にモテない男性陣に対してだ!
だって、柊の彼女は女子大に通っているのだ!!
今まで一度だって俺達には、柊は彼女を紹介をしてくれたことはなく、
その結果、もちろん彼女のお友達も紹介されたことはない!!
その情報を聞きつけたのであろう藤本が早速俺の部屋に来た。
「森永・・・聞いたか?」
「ああ・・・柊の件だろう?」
「そうだ・・・。」
「今まで長かったな・・・。」
「ああ・・・。これでやっと・・・。」
「そうやっと・・・。」
「「俺達に女子大のお友達を紹介してもらえるチャンスが来た!!!」」
どうやら俺と藤本は全く同じことを考えていたようだ。
そう!!
知り合うことが出来れば、紹介してもらえるはずだ!!
「ただ、柊の彼女に俺達の良い印象を植え付けないとダメだぞ、藤本。」
「どうしてだ?」
「考えてみろ。もし自分の友達が藤本みたいな奴だったらどうする?」
「?当然、友達を紹介するが?」
「・・・」
そうだった・・・
藤本は自分が頭のイカれた奴だと自覚していなかったんだ・・・
俺の具体例が失敗だ・・・
「すまなかった言いなおすぞ!
もし、お前がブサイクで、他人をひたすら見下し続けて、
金の管理が全くできず月の半分くらいを友達にご飯をたかり続けて、
更には女子と思えば見境なしに声をかけるような男が友達にいたとしたら
そんな奴に自分の友達を紹介するか?」
「何なんだその最低な奴は!!
そんな奴なんて死んだ方がましだな!!
俺なら絶対に紹介なんてしない!
むしろ友達を止めてるぞ!」
・・・
お前のことなんだけどね・・・
そっか、客観的には見れるんだな・・・
自分のこと以外では・・・
ちょっとだけ藤本のことが分かったが、
いらない情報なので、すぐに頭から消し去ってしまう。
で、本題に戻って・・・・
「そうだろう?だから、悪い印象を与えてしまうと
紹介してもらえない可能性があるんだ。」
「なるほど・・・。
確かに森永の言う通りだ。
柊の彼女さんには、印象を持ってもらもらはないと
俺達の今後の人生設計に影響を及ぼしてしまうそうだな・・・。」
「え?そんなに重い内容だったのか?」
「だって、森永にとっては紹介以外で女子と触れ合うチャンスなんてないだろう?
道行く女子に声をかける勇気なんてどうせないだろう?
だいたい同じクラスの女子にすら声をかけることができないじゃないか!」
「・・・ないが・・・ないけど・・・その言い方!!!」
「それに女子大とのコネクションが出来ると、
今後の選択肢の幅が・・・大きく増えるじゃないか!!」
「・・・天文合宿でつながりが出来たコネクションも確かに広がったな・・・。」
「・・あれは汚点だ!!
あいつら絶対に自分達よりも容姿が上の人間は連れてこないだろう!!
くっそぉ・・・あのブスども・・・お前らよりも下の奴ばっかりだと、
ホント下のクラスしかいなだいろうに!!
そんなのこっちから願い下げだ!!」
「・・・でも、この間のEカップの子を狙ってたじゃないか?
あれ、結局どうなったんだ?」
「・・・フラれた。」
小声で聞こえずらいため、俺は思わずもう一度尋ねると、
「フラれたんだよ!!しかもだ!!
『私、顔がブサイクな人はちょっと・・・。』
って、お前が顔にダメだししてんじゃねえよ!!
胸しか取りえがないのによ!!
俺の中であいつの顔なんて下の中くらいだからな!
よくその顔でノコノコと街中歩けるなって思えるレベルだよ!!」
「・・・そんな顔なのに・・・胸のデカさだけでKOされた奴が何を言ってんだよ・・・。」
「ま、まあ、いいじゃないか!
話がそれてしまっただろう!
俺達は新たな女子大に対して、新たなコネクションを作るしかないだろう?
そうでなくては、またピグモン級との合コンをしなくてはならないんだぞ?
しかも俺達のおごりだと思って高い店しか予約しやらがない・・・。」
「・・・由々しき事態だな・・・。
ああ、分かった。それじゃあ、作戦を考えようじゃないか。
柊に頼んでは絶対に断ってくるから、学祭に来た柊の彼女さんと
絶対に仲良くならねばならないのだからな。」
「ああ、綿密な作戦を考えようじゃないか・・・・。」
こうして俺と藤本は夜遅くまで学祭における柊の彼女攻略作戦を練るのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。