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お好み焼き屋 ~6~

お好み焼き食べたくなってきた・・・

一瞬と木が止まってしまたが、

柊が動き出したことで時が戻る。



「前田さん、2人だからカウンターに行こうか。」


「え?テーブルは?」


「空いてるのは4人掛けだけだから、他のお客さんが4人で来たら

 俺達2人で使ってたら困るだろう?」


「・・・せやな~。えらいな柊君!」


2人がカウンターに行こうとすると、



「・・・かまわないよ。そっちに座り。」


「いいんですか?」


「おばあちゃん!ありがとー!」


そういって、お礼を言って2人はテーブル席に座る。


・・・俺、前にめっちゃ怒られたな・・・


2人で四人掛けの席に座った時・・・


そして、オーケストラ部の面々は当然質問を2人に投げかける。



「前田さん!2人で来たの?」


「え!?友達だよね!?」


・・・ここで彼氏?と聞けないのが小心者の性なんだろうな~と感じてしまう・・・


俺も当然聞けないんだけどね・・・恐ろしくて・・・


それに確かに2人だと誤解されてたなくないとか言ってのに

普通に2人で来ている・・・


いったいどうなってんだ!?



「もしかして・・・デート中?」


恐る恐る聞くオーケストラ部の先輩に、

ちょっとめんどくさそうな顔をしながら、こっちを向いて



「デート中やねんから、じゃませんといてな~。」


・・・1週間前の時の言葉と明らかに違うトーンでこっちに言ってくる前田さん。


一週間前はズバッと容赦なく切っていた気がするのに

今日はやんわりと言ってくる。


そもそも言葉も楽しそうな雰囲気であり、

全然この間のような気迫が込められていないのである。



「・・・デートではないだろうに。」


逆に柊の方がデートを否定する。

すると、



「デートやろう!だって、男女でご飯食べるんやで!

 うぅぅ・・・初めて誘ってん・・・うち・・・男子をさ・・・。」


ちょっと凹むようなしぐさをする前田さん。



「今までずっと女子校やってん!

 せやからめっちゃ緊張して、勇気をふりしぼってんやでぇ!!

 そんな勇気を踏みにじらんとってやぁ~・・・。」


「・・・ごめんごめん。だけど、それだったら、

 本当に好きな人と一緒に遊びに行くのをデートとして取ってればいいじゃん。

 今日のは親睦を深める食事会って事にしてね。」


「うぅ~なっとくいかへんな~。

 だけど、親睦を深めるのは賛成やねん!

 もっとうちのことを知ってもらいたいし、柊君のこともしりたいねん!」


「はいはい、っていうか、俺なんて別に普通だと思うけどね。」


「そんなことないやん!だって阪大学に入ってんで!それだけで普通ちゃうわ!」


「前田さんだって入ってるやんか!」


・・・すでに2人の世界が出来上がってるようで、

楽しそうに話しているため俺達は誰も声をかけることが出来なくなったのである・・・


そんな中・・・



「あれ?何で柊がここに?・・・って!前田さんも!?」


やっとマンガを読み終えて、棚に納めに行こうとしたところで気づいた藤本。


・・・いや、遅すぎだろう・・・



「おっす!」


柊は普通に返事を返して、



「やぁ!」


前田さんも返事を返すが、すぐに柊の方へと向きかえて、また会話を再開する。

その背中はもう話かけてくるなよとアリアリと空気を出しているのだが・・・



「ど、どうして・・・。」


絶句する藤本。

その気持ち・・・分かる、分かるけど!!

ここは大人しく下がるのが戦略的に正解だぞ!!

だけど俺の心の声は藤本には届くことはなく、



「だ、だって誤解されるから二人きりは嫌だって・・・。」


困惑しながら前田さんに聞く藤本。


・・・オーケストラ部の面々はよく聞いた!って顔をして

みんなの視線が前田さんに注がれる。



「別にうちは柊君とならいいねん。」


ハッキリといったぁーーー!!!


ショックを受ける面々!

それも当然だろう!!

一週間前の攻防を思い出せば!!


ショックを受けたのだろう、藤本の足取りはフラフラする。

何とか戻ってきたところでお好み焼きが届くのだが、

藤本はもちろんオーケストラ部の面々もただただお好み焼きを見つめるのであった・・・。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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