お好み焼き屋 ~3~
単純な男・・・
「むっちゃ美味しいねんな~。」
京都出身らしい前田さんの関西弁は普段周りの野郎どもが話している言葉よりも
ずいぶん上品というか、艶があるような感じで・・・
確かに・・・
何かエロイな!
女子が使う京都弁ってこんなにそそるのか!!
藤本じゃなくて、それになぜかわざわざ隣の席に来た
オーケストラ部の面々の気持ちがちょっとわかる気がする。
確か、オーケストラ部には男子が5人だったかな?
そうすると・・・全員がここに集合していんだね・・・
集合した面々は党是と言っていいだろう、前田さんの言葉に一挙手一投足する・・・
まさに女王アリに群がる働きアリの図だな・・・
「しっかし、前田さんもこんな所に来るんだね?」
「うちをなんやとおっもてん!全然庶民やねんで!来るわ!」
「だって、ヴァイオリンとかめっちゃ優雅に弾くやんか!」
「必死!必死で弾いてんで!」
「いやいや、めっちゃ優雅に弾くからてっきりどこぞのお嬢様かと思ってたわ~。」
「お嬢様ちゃうわ!庶民も庶民!だから、普通にこんなお店にも来るわ!!」
俺と藤本、前田さん3人で来たにもかかわらず、
オーケストラ部の先輩達が話しかけてくるせいで、
藤本の顔はドンドン仏頂面になっていく。
それならお前が話せばいいだろうに・・・と思うだのが・・・
「じゃあ、今度俺がこの近くにある食堂に連れて行ってあげるよ!」
「みんなで行きましょう!」
「いや~、あそこは狭いから2人で行った方が・・・。」
「せやったら、いいですわ。」
「だけど・・・。」
「イヤやゆうてるやん!」
前田さんに一蹴される先輩を見て・・・
おお!悪い顔してるぞ藤本!!
分かるけど!!
その気持ちわかるけどな!
だけど、その顔は人に見せていい顔じゃない!!
誰にもバレないようにしとけよ!!
ほら!早く直せよ!
「美味しいのにな~。」
それでも何とか食い下がろうとする先輩なのだが、
「絶対にイヤや。だって、先輩と2人で行ったら、勘違いされるやん!めっちゃ嫌や。」
・・・可愛い顔してめっちゃ辛辣なんだな・・・
先輩が無残に散ったからと言って、お前のターンが回ってきたわけじゃないぞ藤本!
スマホで必死で検索するな!!
きっとどんなステキなお店でもお前と2人で彼女が行くことはないぞ!!
・・・うん?
まだ断られてないって?
さっきのは距離が遠かったからって?
違うからな!!
あれはお前と2人で行きたくないって言ってるんだぞ!
決して距離の問題じゃない!
いや、心の距離ではなくて、物理的な距離の方だ!!
そもそも心の距離って言うけど、お前と前田さんの心の距離は
はるかかなたまで離れているけどな・・・
・・・いやいや!
じゃあ、3人でって話じゃないぞ!
しかもあと一人を女子にすればって・・・
お前、あわよくば2人の女子同時に狙える!みたいなことを考えてるよな・・・
「え!?何で分かるんだ!?」
そんな目を見開いて、本気で驚かなくてもいいだろうに・・・
お前の考え何って3日・・・いや、一日・・・いや、一時間お前といたら
誰でもわかることだからな!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。