バレンタインデー (一回生) ~3~
午後の授業と部活!!!さあ、本命の時間だ!!
・・・おかしい・・・
おかしいだろう?
すでに4限目を終えた・・・
どうして・・・
誰も俺にチョコを渡しに来ないんだ!!!
最後まで教室に残り、いつでも渡してもらえるようにしてたけど?
わざわざ、カバンを大きく開けて、いくらでも入るよってアピールしてたけど?
更には紙袋まで用意してるアピールしたけど?
昨晩、森永に相談して、2人でどのくらいの紙袋のサイズにするか話し合って、
「これくらいか?」
「いや、それは何か、いやらしくないか?他の男子から反感を買いそうだぞ。」
「そうか・・・じゃあ、このサイズで。」
「お!それならいいな!」
って、話して決めたのに・・・
だがしかし!!!
俺にはまだ部活がある!!!
オーケストラ部があるのだ!!!
男女比率が1:9という、女子率がめちゃめちゃ高い部活がな!!!
おおっと!
急いで部活に行かないと、貰えるものがもらえない可能性があるからな。
俺は走って教室を出ていったのであった。
部室に着いたときにはすでに男子部員6人全員がすでにそこにいた・・・。
「おぉ!藤本か!お疲れ!」
「・・・お疲れさまです。」
どうやらみんな考えることは一緒で、
いつももっと遅い先輩達もすでにここにいる。
そして、みんながソワソワしているのであった。
すると、女部長が現れる。
「お疲れー!」
女部長にみんなが、それぞれ挨拶をしている中で、
「じゃあ、いつもの恒例だけど・・・
チョコね。」
そこで俺は愕然とする・・・
俺達6人に対して、一箱が渡されたのであった。
ただ、それ以上に衝撃なのが・・・
「これ・・・
女子分全員からだからね~。」
え?
これってみんなで出し合って買ったってこと?
50人以上いる女子部員がいくらずつ出したんだろうか・・・
・・・10円?
「ありがとう!」
男子部員たちは嬉しそうに箱を開封して、
チョコを頬張っていた・・・
俺はそれを愕然とながめるだけであった・・・
ただ、これは一応、部としての恒例行事のようで
男の先輩の1人は彼女ではあるが女子部員から、別にチョコを貰っていた・・・
当然それもあるよな!!!
急に俺の期待値が高まっていくのであった!!
全体であげたからといって個人でチョコをあげないなってことはないのだから!
俺は急にテンションが上がり、部活の練習ではいつも以上に気合を入れて楽器を弾いた。
そんな中、とある男の先輩が1回生の女子達に、
「個人的に渡してもOKなんだけど。ほら、お世話している先輩にお礼としてさ。」
・・・な、何って厚かましい先輩なんだ!!
自分から催促するなんて!!
思わず文句を言いそうになるが、ここではグッとこらえる。
まずは1回生の女子部員で俺の中でNo1の可愛らしい御船さんに尋ねる先輩、
「あ、すいません。学校にチョコは持ってきていませんし、父だけに渡すので。」
スッパリと切られる。
だが、それでも・・・
「ええ!?御船さんは誰にもチョコ渡してないのかな?」
「はい。いや、先ほどみんなで出し合った部活のチョコは渡しましたよ。
あれがお礼の気持ちです。」
「ああ!あれか~、美味しくいただきました。ありがとうございます。」
断られたのを悟ると、次に移る。
次に目を付けたのは、1回生の女子部員でNo1のスタイルの持ち主の前田さんだった。
「前田ちゃんはチョコは?」
「うちですかー?うちは自分用のしかこうてへんのですー。すいませーん。」
ひょいひょいとあしらわれる先輩。
ただ、それでもあきらめずに今度は
1回生の女子部員でNo1のキレイ系の武田さんに聞くと、
「チョコは好きな人にだけ個人的にあげたいんです。」
・・・それだと先輩は好きではありませんといっているのでは?
チョコを催促しただけで、恋愛も断ち切るとは・・・
ある意味感心して聞き入ってしまっていた・・・
結局俺は部活で2粒のチョコを貰いった。
あれ?
俺の知っている世界では大学生ってもっといろんな人から貰えるものじゃないの?
よく、マンガの世界では下駄箱いっぱいにチョコが詰まってたり・・・
あ!?
そう言うことだ!!!
俺は部活を終えて急いで寮へと戻るのであった。
もちろん、部室には最後までいて、みんなはすでに帰り終えていたのだが・・・
「・・・ない・・・。」
寮の入り口にあるポストを見たのだが、そこには何もはいっていなかったのである・・・
いや、あった・・・
あるにはあったのだが・・・
携帯の請求書だけが・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。