たこパー ~2~
たこパーは飲み物代込みでもえらい安いんだよね~
ちょっと本題から話がそれたので話を戻して、
「柊、たこ焼き器は伊藤さんに言われて買ったのか?」
「ああ・・・・。
お金を払うから持っててと言われて、1万円を無理やり渡された・・・。」
「あれ?たこ焼き器って498円って言ってたよな?」
「その他、道具を買って、1000円くらいだったよ。」
「残りは?」
「返しに来てって言われた・・・。」
だからか・・・
大きなため息をつく柊。
そんなに伊藤さんに会いに行くのが嫌なんだな・・・
確かに柊は伊藤さんのお気に入りなんだろう。
しょっちゅう学校内で呼び出しを受けているしな。
うらやましいぞ!!
俺に代わってくれよ!!
・・・まあ、モテない男の僻みだと思って流してくれ・・・
「しっかし、えらいなわざわざ律義に買う何ってさ。
お前だったら、適当に流して終りのような気がするのにな。」
「最初はそうしようと思ったんだよ。
まだ買ってませんとか、時間がなくてとか言おうと思ったんだけどね~。」
そこまで言って俺に携帯を見せてくれる。
そこにはSNSのトーク画面で、
“買った?”
“もう買った?”
“買ったら、写メして”
“私、ピンクとか好き”
“駅前のカメラ屋さんでたこ焼き器売ってるよ!”
“学校の生協でも売ってたよ!”
“突くのは先が丸いタイプがいいと思う!”
“突くの二本必須”
“生地用のボールも必須”
・・・
それ一日?
あ、10分以内でそんな感じなのか・・・
そっか・・・
俺がざっと確認しただけで300件近いコメントがすでに届いており、
今もこうして話している間にも2、3分おきに届いている・・・
「なら無視したらいいんじゃないの?」
すると俺に無言で今度は着信履歴を見せてくれる。
“岩崎さん”
“岩崎さん”
“岩崎さん”
“岩崎さん”
“岩崎さん”
・・・
着信履歴は30件まで消えていくんだよな。
一番古いので20分前か・・・・
そんなことをいっている傍から着信してるぞ!!
「もしもし?」
「柊君、買ったんだね!!」
電話口から嬉しそうな声が漏れる。
柊はコソコソと部屋から出ていき、電話をするのであった。
「なあ・・・。」
「なんだ藤本?さきに言っておくけど、
柊みたいになりたいってのはお前には無理だからな。」
「ちょ、ちょっと待て!!まだ何も言ってないだろう!!
っていうか、俺の心を読むのをやめてくれ!!」
「いや、お前、単純じゃん。」
「ふぬぬぬ、単純とは・・・。」
「で、何?」
「いや、柊みたいになるにはどうしたらいいかと・・・。」
「あってんじゃん!?」
思わず驚いてしまう。
だって、適当に言ったんだよ?
それが何であってんだよ!!
「しっかし、たこ焼き器があっても、ここいいる3人誰も作ったことないんだろう?」
「だな・・・。っていうか、普通一家に一台なんて、たこ焼き器はないだろう!!」
「たしかに・・・。
うちにはホットプレートはあって、お好み焼きは作るけど、たこ焼きは作らないからな・・・。」
「まあ、お好み焼きは各家庭でギリギリ作る粉モノだろうな。」
そんなことを話していると柊が戻ってきて、
「それで、今度寮の入り口のスペースでたこ焼きパーティーをするんだけど、来るか?」
「男同士で作って何が楽しい!!」
さすがは藤本ブレない回答だ。
即座に断ってきやがったな・・・
「俺は一度やってみたいから行くよ。」
「分かったじゃあ、森永は参加でね。」
そう言って、用件が終わったようで俺の部屋から立ち去ろうとする柊。
ただ、大きな爆弾を落としてだけど・・・
「一応、作ったことがある人を呼んでるから。」
「へぇ~、誰呼んだの?」
俺は柊に返事をするが、藤本はすでに興味がないのであろう。
テレビのリモコンでチャンネルを変えていた。
「御船さんとそのお友達。」
「なんだと!!!」
するといきなり藤本が立ち上がって大声をだす!!
っていうか、ちゃんと聞いてたのね。
てっきりテレビに集中していると思ってたのに・・・
「仕方がないので参加してやろう!!」
「いや、人数はいっぱいだから。」
上から目線の藤本を一蹴する柊。
すると次の瞬間、
「是非とも参加させてください。お願いします。」
きれーな土下座をするいつもの藤本がそこにいたのであった。
「じゃあ、会費は払ってもらうけど、宜しく!」
会費として500円かかるということだが、
まあ普通にたこ焼き一皿食べたら500円はかかるし、
安い値段だなと思っていたのだが・・・
「500円も取るのかよ!!」
・・・心の狭い男がいたようだ・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。