発表会(一回生) ~5~
あれ・・・これって・・・
そして、次の日は柊に弟を頼んで、俺は朝からオーケストラ部へと向かった。
朝からトラックへの楽器を運び入れ、
会場に付いたら楽器を会場内へと運び入れ、舞台の準備、
曲合わせとなかなか大変な準備に追われていた。
そんな中だった!
俺達がいた控室に何と、弟と柊が現れたのであった!!
「いつも兄がお世話になっております。
皆さんには大変ご迷惑をおかけしていると思いますが、
今後も宜しくお願いします。」
そう言って、頭を下げて回る弟・・・
ちょとまて!
俺はそんなに迷惑をかけたりはしてないぞ!!
だからそんなに頭を下げて回らなくても・・・
そう言いかけたところで、とある女子の先輩が、
「どうして・・・
どうして・・・
あの藤本君の弟がこんなに普通なの!?」
「ちょ、ちょっと!?それ失礼過ぎやしませんか!?」
俺は思わず先輩に突っ込むのだが、
誰もが先輩の意見に賛同していたのであった・・・
おかしい・・・
こんなにまともな俺がおかしいとでも?
「あ、これ両親から皆さんに渡して欲しいと言われて、地元のお菓子です。」
そう言って差し出す弟!
「いやいや、俺貰ってないけど!?」
昨日さんざん道案内やご飯を食べさせて・・・貰ったな・・・
そういやおごってもらったわ・・・
まあ、俺が道案内をした事実は変わらない!!
なのに俺に対してのお土産はなかったのだが!?
「きっと兄が皆さんにご迷惑をかけているから、
そのお詫びの1つにと言われて貰ってきましたので、
遠慮せずに食べてください。」
「「「ありがとう!」」」
みんながお礼を言って食べだすのだが、俺はますます納得がいかない・・・
俺のことを両親はどんな風に思っているのだろうか?
これだけ出来た俺だ!!
テストの点もいい!
成績もいい!!
・・・ちょっと、加筆が加わってるけど・・・
なのに、俺がみんなに迷惑をかけているとはどういうことだろうか!?
俺が1人憤っている中、みんなは弟君にお礼の言葉を言って、
更には・・・
「大変だけど、これからも頑張ります!」
・・・何が大変だと?
どういう意味だろうか・・・
その後、演奏を終えて、夜にはお疲れ様会があったのだが・・・
「何でお前がここにいるんだよ!?」
なぜかその席に弟がいたのであった!
「いや、呼ばれたから・・・。」
そういう弟に、
「私が読んだの。せっかくだしさ。弟君、1人で食事って味気ないでしょう?」
・・・
・・・
「そうですね。」
俺はその言葉を言うのが精一杯だった・・・
その後の席は、兄妹ということで俺と弟・・・
ってなると思いきや!!!
弟を囲む、先輩を含めた女性陣!!
片や俺は・・・
何でいつもの男性陣なんだよ!!!
いつもこいつらとご飯食べ取るわ!!!
しかも・・・
「どうして、弟君がうちの学校に来なかったんだろうね。」
って言われてるんですけど!!!
ちょっと酷くないですかね!!
「いやいや、その同じ血を引いた俺がいますけど!!」
そんな俺の抗議に対して、
「・・・同じ血・・・何だよね?」
何ですかね!その疑問形は!!
同じ血ですよ!
まったく同じ血が流れてます!!
その後も盛り上がる弟と女性陣・・・
まあ、俺達はいつも通りの・・・食事会だった・・・
その日の最終便で家へと帰っていった弟。
「これ見て!!消防士の訓練受けている藤本君の弟さん!」
そう言って、先輩がスマホをみんなに見せてくれる。
そこには訓練をしている弟の姿が写った画面が映しだされていた。
その後も何枚かスクロールして見せてくれるのだが・・・
何で先輩がそんなものを持ってるんですかね?
「え?この間の飲み会の時に、教えて貰ったの。」
そう言う先輩。
・・・
ちなみに・・・
俺、先輩の番号知りませんけどね!!!
何で、俺よりも先に弟と番号交換してるんですか!?
・・・
・・・
すでに察しがいい人は気づいているだろう・・・
俺は・・・
今、この先輩を狙っていたことを!!
なんでだぁ~!!!
どうしてこうなった!!!
ちなみにその後、みんなから先輩は、
「弟君と結婚したら、藤本君をお兄さんって呼ばなきゃダメなんだよ。」
・・・その聞き方に悪意を感じるのは俺だけだろうか?
っていか・・・
「そうなんだよね・・・。それが・・・。」
本気で嫌そうな顔をする先輩・・・
そんなに俺が嫌なのか!?
普通にショックなんですけど!!!
その後、この先輩は弟にフラれることになった。
「やっぱり遠距離は出来ないって言われて・・・。」
ショックを受けている先輩。
なので、
「ここに同じ血を引いた俺がいますけど?
どうですか?
俺なら遠距離でもないですし。」
その俺のまあ・・・告白に対して、
「死んでもイヤ。」
即答だった・・・
19敗目が確定した瞬間であった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。