発表会(一回生) ~1~
弟って意外と似てない・・・
「うちの弟が来ることになったんだ。」
俺は柊の部屋に来て、コーヒーを飲みながら、
今度うちの弟がここに来ることを告げる。
「確か藤本の弟君って、消防士を目指してるんだったよな?」」
「ああ、今は消防学校ってところに通ってるよ。」
「結構忙しそうなのによく来るよなぁ~。」
「ああ・・・実は・・・
親に頼まれて、どんな生活を俺がしているかを確認するために来るようだ。」
「・・・ご愁傷さまです。」
「まて!まだ早い!!」
「だって、どうあがいてもダメな大学生の典型例じゃないか?
学校には自主休講で行かない。
しかも授業自体も2年にギリギリ上がれれるだけの授業しか履修してない。
遅刻は毎日のようにする。
夜遊びは・・・するけど、遊べてないな・・・。」
「そんなことはない!!
これから大学生らしい夜遊びをするつもりだよ!!」
「まあ、いつになるかはわからないけどね・・・。」
「今に見ておれ・・・すぐに大学生らしい遊びをしてみせるわ!!
まあ、その話しは置いといてだ。
今日来たのは二つ!
まずは部屋の片づけを手伝って欲しい。」
「ああ、弟君を泊めるんだな?」
「その通り。それで部屋をまずはキレイに片づける。」
「っていうか、布団一組しかないんだろう?
弟君はどこで寝るつもりなんだ?」
「弟は1人で良くキャンプをやるタイプだから、寝袋をもっているんだ。
今回は寝袋で寝るって言ってたよ。」
「・・・兄と変わってあげたら?
弟君の方がよっぽど立派な人間になりそうだしさ。」
「バカな!?俺も将来官僚への道を目指す男だ!!
この国を背負って立つ人間が地べたでなんぞで寝れるか!」
「お前に背負って立たれるのはマジで勘弁してほしい。
そして、俺達の税金を使われるのは不愉快なんだけど。」
「そこまでいうか!?
絶対に将来は国を背負って働く男になってやるからな!!」
「まあ、期待せずに待っておきます。
で、もう一つのお願いってはなんだ?」
「ああ、それは次の日に部活の発表会があるんだよ。」
「へぇ~、知らなかったよ。」
「ああ、男になんぞきて欲しくないから言っていなかった!!」
「・・・ホントにブレない最低の人間だな。
安心しろ、実は御船さんからチケットは購入してるから、
知ってたし、キッチリと冷やかしに行ってやるからな。」
「なぁ!?く、俺の客席は女子で埋めよう計画が・・・。」
「ちなみにお前が誘った女子は誰かいるのか?
そんな計画を立てるくらいならさ。」
「ゼロだ。」
「え?」
「だから、ゼロだ!さっそたんだけど、みんなシャイで来てくれなんだよ。」
「・・・シャイ?」
「そう!!それ以外に俺から誘われて断る理由はない!!」
「いや、いっぱいあるからな!!」
「まあ、そんな小さいことを気にしても仕方がない。
それで話を戻すと、俺は先に会場に行かなくちゃいけないんだけど、
弟とは後から来るんだよ。
それで会場まで案内してやってくれないか?」
「・・・それで俺がチケット持ってない場合はどうするつもりだったんだ?」
「今、俺が持っているチケットを買ってもらうつもりだった!」
「ただで渡すってことは?」
「まったく考えてない!
男に優しくするつもりは全くないからな!」
「・・・まあ、結局はチケットは持ってるからいいけど。
弟君は、スマホとか持ってないの?
そこまでの行き方が分からないって話なんだろ?」
「いや、持ってるんだけど・・・
極度の方向音痴なんだ・・・。」
「・・・消防士で?」
「まだ卵だ。
だけど、俺もその話を知っているから、
弟が消防士を選んだことに一抹の不安を覚えたのは言うまでもないんだ。」
「さすがに建物の中で迷子になることはなだいろう?」
「いや、初めての旅館や学校でも迷子になる奴だ。
というか、近所でもいつも使う道と違うところに入り込むと迷子になるからな・・・。
俺は初めて迷子になる人がどう言う人なのかが、
弟と一緒にいることで分かったんだよ。」
「・・・分かった。当日は俺が責任をもって連れていこう・・・。
とういうか、気になる点が一つあるんだけど。」
柊は俺の申し出を快く受けてくれたのだが、
急に神妙な面持ちをして俺に聞いてくるのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。