お弁当屋さん ~3~
盗聴は立派な犯罪です!
それから数日、毎日のように飲食店をめぐるのだが、
当たることはなかった・・・
「なかなか、田中さんの働いている店にはたどり着けないんだよな~。」
今は、柊の部屋でコーヒーを淹れてもらってくつろいでいる。
毎日ここでタダでコーヒーを飲むのが俺の日課だ。
「・・・それを日課にするのはやめてくれないか?」
「まあ、いいじゃないか!俺と柊の仲じゃないか!」
「・・・まあ、いいけど、俺は食事をとらせてもらうよ。」
「おう!遠慮なく食べてくれ!
「いや、ここ俺の部屋だからな!」
柊は家庭教師のバイトから今、帰ってきたばかりで、
今から食事をするのであった。
今日はどうやらどこかのお弁当屋さんで買ってきた弁当らしい。
・・・
「なあ、柊・・・。」
「うん?」
「そのお弁当はどうしたんだ?」
「いや~、天文部の友達が働いてるところなんだけど、
顔見知りだからか、えらい気を使ってくれて・・・」
そういって、お弁当屋の袋からお弁当を取り出すのだが、
その取り出されたお弁当が凄かった!!
だって・・・
お弁当の蓋が締まってないからね!!
見ただけで何が入っているのか丸わかりだ!
唐揚げ弁当を頼んだんだろう・・・
唐揚げが多すぎて蓋が締まらない状況になっているのである!!
「・・・もう、それ蓋の意味をなしてないだろう・・。」
「だよな・・・。」
苦笑しながら蓋を取り、スパイスをかけて美味しそうに食べだす柊。
・・・
「っていうか、ご飯もどんだけ詰められてるんだよ・・・。」
それは普通のご飯を詰める容器ではなくて、
丼もの、カツ丼何かを詰める容器いっぱいにご飯が詰められていたのだ!!
「何か、もうすぐ閉店でご飯が余ってるからって言われて、
えらい詰められたんだよな~。」
苦笑しながら柊は食べている。
結局半分くらい食べたところで、
「もう・・・むり・・・。」
柊がギブアップをするのであった。
そのため結局残りは明日食べることにして、
タッパーに移して、冷蔵庫にいれいた。
「・・・今度俺もそこに行ってみようかな・・・。」
「ああ、味は美味しいから行ってみるといい。」
そう言いながら、お弁当屋さんの位置を教えてくれる。
「あれ?何か、田中さんの家から近い位置にあるな~。」
「あれ?田中さんの家を聞けたの?」
「いや、推測で大体その位置だと目星を付けている!!」
「・・・ちなみにだが、どんな推測で立てた?」
「ああ、大丈夫だ!ソースはしっかりしてるからな!
オーケストラ部で女子同士が話しててな、
田中さんがどこのスーパーを使っているかとか、
どこのコンビニを使っているか、
あとは食事をする近所のカフェとかから推測したんだ。」
俺は自分の推理がどれだけ素晴らしいかを教えて、胸を張る。
それなのに・・・
なぜか柊は冷たい目で俺を見るのであった・・・
「それ・・・
盗聴だろ?」
「いやいや!たまたま部活の練習中に耳に入っただけだからな!!」
「・・・聞き耳は立てたんだろう?」
「違う!俺の練習している席の近くで、話していたから聞こえて来たんだ!!」
「あくまで偶然だと?」
「ああ!!」
「・・・本当に捕まらないようにな・・・。」
「いや、だから!!!」
俺がどれだけ言っても柊は犯罪者を見る目で俺を見るだけだった・・・
おかしい・・・
俺は女子達が集まる場所に行って練習していたら、
たまたま田中さんのいくスーパーの話が出ただけなのに・・・
オーケストラ部の女子メンバーが食堂でご飯を食べている中に
あとから入って行ったら、たまたまそこで田中さんが使っている
コンビニの話をしていただけなのに・・・
部活が終わって、たまたま前に田中さんがいたから、
その後ろをついていって、カフェに入るのを見かけただけなのに・・・
しばらくそこで待ってようかと思ったけど、
一時間待っても出てこなかったから、諦めて帰ってのだが・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。