お弁当屋さん ~1~
男が女子を見るのはどこ?
おかしいな~・・・
フラれるってのは告白して初めて成立するモノだと思っていたのだが、
告白する前にフラれるってことがあるのか・・・
まあ、そんなことはどうでもいい!
今は違う子に興味津々なのだから!
今狙っている彼女の名前は、
“田中さん”
彼女もまたオーケストラ部の女の子の1人であり、
彼女は法学部の学生である。
共通の講義で日本国憲法をとっており、
たまに一緒の授業を受けていたのだが・・・
「藤本君、この席空いてるかな?」
「ああ、空いてるよ。」
「ありがとう。」
そう言って、毎回俺の隣に座るのであった・・・
顔はまあ及第点・・・
スタイルは・・・お世辞にもいいとは言い難い・・・
だけど、小柄で愛らしい姿に惚れないわけがない!!!
毎回俺の隣に来るのだから、
当然俺に気があるのは明白だろう!!
例え、日本国憲法は教員になるために必須であり、
大勢の生徒が受けているとは言っても・・・
席もビッチリと埋まっていたとしても!!
・・・何で俺の隣はいつも空いてるんだろうか?
あ!田中さんのためか!!
みんな分かってるんだな・・・
そんな彼女は俺の隣の県出身者であり、
意外とオーケストラ部とかの打ち上げの時とかに地元の話題で盛り上がったりするのだ。
そんな彼女が最近、どこかでバイトを始めたという情報を俺は入手した。
まあ、情報はオーケストラ部の男子一同からで、
今はみんなが協力してどこでバイトしているのかを探しているところである。
田中さんは、女子の一部にのみにどこでバイトしているのかを教えており、
他の人達には誰も教えていないのだ。
当然、男子が聞いても、
「恥ずかしいからいえないよ~。」
と、照れて教えてくれはしなかった。
・・・意外とその姿も可愛いな・・・
「で、柊と森永に質問なのんだが、彼女がどこでバイトしているか知っているか?」
「・・・その田中さんって人がどんな人かもわからないんだけど・・・。」
柊からのコメントに、確かにそうだと気づく。
俺は知っているけど、接点がなければ同じ学年に何百人と生徒がいるのだから
気づくわけがないのだ。
今まで見たいな同じ理系の学部にいるというわけではないし・・・
そんなことを思っていると、
「ああ・・・俺、田中さんって子を知ってるよ・・・。」
そう言って、スマホをいじりだしかと思うと、
すっと俺達の前に画面を表示してきた。
「な!?何でこんな写真を持っているんだ!?」
それは四人で宴会をしている写真で、
その中に森永と共に田中さんがいたのであった。
「な、なんでこの写真をお前が持っているんだ!?
っていうか、なんで一緒に写ってるんだ!?」
「これは部活の新入生歓迎コンパの時に撮った写真だよ。」
「なぬぅ!!!どうして俺もその場にいなかったんだ!!」
「いや、お前いるよ。」
そういって、画面の一部を拡大して・・・
「ほら、藤本いるだろう?」
そこには俺のまごうことなき見事な・・・
それは見事な後頭部が写っていたのであった。
「・・・え?ってことは・・・。」
「ああ、お前はこの時、しっかりと同じ新入生歓迎コンパに参加しているよ。」
「何だって!!!」
俺はその時の新入生歓迎コンパを思い出す・・・
確かに軽音楽部の新入生歓迎コンパには参加した記憶はあった・・
だけど・・・
だけど・・・
田中さんのことは一切思い出せないのであった!
「どうして田中さんのことを思い出せないんだろうか・・・。」
「いや、お前、ここの女の先輩の尻ばっかり追いかけていただろうが!」
「?尻なんって追いかけるわけないだろう?
俺は女を判断するのは、
顔!
胸!
以上だ!!」
「清々しいくらい・・・
最低な人間だな!」
「そんなに褒めるな照れるだろ!」
「まったく褒めてはいないけどな。」
「そんな先輩いたかな・・・。」
「おい!俺の話を聞けよ!!」
そこまで言われ俺もやっと思い出したのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。