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バレンタインデー (一回生) ~1~

藤森の一回生の時のバレンタインデーです!


今日はいよいよ来た2月14日・・・


この日はいつもより男子はみんな早起きをする。

当然俺も早起きをしている。


普段だとこの時間帯は、男子生徒が動いている時間帯ではないのだが、

今日に限ってはすでに洗面所は男子生徒でいっぱいだ。


俺も準備を終えて、学校へと向かう。

時間は8時過ぎ・・・



9時からの1限目に対して、早すぎるせいか学生は・・・


まあ、男子生徒の姿が見られるだけであった・・・


その姿はそわそわしており、先ほどから同じようなところを

ウロウロしている男子達が見受けられる。

あいつらは・・・


チョコがもらえると思っているのだろうか?


あんな挙動不審に歩いているけど、

そんな挙動不審に歩いているような奴に

チョコが貰えるはずがないと思うのだが・・・



俺のようにゆとりをもって歩かないとダメだろう。


さてと・・・どうしようかと思ったところで、

そう言えば毎朝柊が学食で朝ご飯を食べていることを思い出す。


確か100円でご飯とみそ汁、おかずが3品だった気がするな・・・


朝食として、コンビニで昨日のうちにパンを三つほど買って、

朝食べてきたのだが、英気を養うために和食も食べておくか!!

そう思って食堂へと足を向けるのであった。



「おかずは9品の中から3つを選んでくださいね~。」


食堂のおばちゃんからケースの中にあるおかずの小皿を見る。

そこには納豆や温泉卵、魚料理、コロッケなどが並んでいて、

俺は迷わず、コロッケとシャケ、唐揚げをとるのであった。


「・・・野菜も食べた方がいいわよ。」


おばちゃんが何やら俺に言ってくるのだが、


「今日は決戦の日なので、戦う準備をしなくてはいけないんです。」


「・・・はぁ~。」


何とも言えない言葉を発したおばちゃんであったが、

それ以上は何も言わず会計をしてくれる。


「さて・・・。」


食堂を見回すと、すでに結構な学生が食堂でご飯を食べていた。


こんなにみんな利用してるんだな・・・


確かにこれだけ食べれて、100円だったら十分だろう。

今度から利用してみるか・・・


そう思うのだが、朝8時から9時までの間にここに来て

ご飯を食べて授業に行ける気がしない・・・


・・・寝る方が大事だな・・・


たぶん、来ることはないだろう・・・



余計な考えを排除して、俺は目当ての相手がいる処へと歩いていく。

相手は新聞を片手に朝ご飯を食べていた。


「おはよう、柊。」


「おお!おはよう、藤本。」


挨拶を済ませて柊の向かい側の席に座り、食事を開始する。


「今日は早いな。いつも遅刻してくるのに。」


「なぁ~に、今日は早く来て、みんなにチャンスを与えないといけないと思ってさ。」


「何のチャンス?」


「俺と接触するチャンスだよ。」


「・・・藤本に接触すると単位でも貰えるの?」


「何を言っているんだ?そんなチャンスがあるなら俺が貰いたいよ。」


「だろうね・・・。で、何?」


「ああぁん?ホントに思い当たらないのか?」


「う~ん・・・まったく思い当たらないな~。」


柊が考えているが、どうやらこいつは本当に思い当たらないようだ。

いや・・・意識してない風にしているのだろうか?


その時だった、


「おっはよー!おいちゃん!」


「ああ、おはよう、坪倉ちゃん。」


そこには天真爛漫というのがピッタリな坪倉さんが朝定食を持って

柊の隣の席に座ってきた。


まさに“ちょこんと”が相応しい座り方・・・



「おはよう、藤本君。」


「おはよう、坪倉ちゃん。」


俺にも笑みを浮かべて挨拶をしてくれる坪倉ちゃんは

本当に我々男子の中では天使のような存在だ・・・。


これだけも朝早く来たかいがあるってものだよ!!!


「いつも坪倉ちゃんは朝、食堂で食べてるの?」


「うん、そうだよー。やっぱり朝はそんな活動できへんくて、

 甘えっちゃってるんよ。」


テヘッとする態度が本当に可愛らしかった・・・


3人でわいわいがやがやと食事を済ませて、

気がついたら・・・


「おぁ!?あと10分で授業が始まる!?」


ちょっと談笑しすぎたようだ!!

せっかく早く来たのに!!!


俺が・・・


みんなのために早く教室に入っておかねばならなかったのに!!!


ごめんよ、みんな・・・

朝から待っていた彼女達よ・・・



「そうだね。そろそろ教室に行こうか。」


柊がそう言って、トレイを持ち上げるのだが、

自然と坪倉ちゃんのトレイまで持ち上げていたのであった。


「あ!?いいのにぃ~・・・いつもありがとう。」


そう言って坪倉ちゃんがちょこんと柊の傍で腕を引っ張る。


・・・うぉ~、なんじゃそりゃぁ!!!



トレイを2人で片して、食堂から出た時のことである。

坪倉ちゃんがカバンをゴソゴソとあさくり出したかと思ったら、

中から、明らかに自分でラッピングしたプレゼントが出てきたのであった。


「これ、いつもおいちゃんにはお世話になってるから。」


「うん?そんな気をつかわなくても・・・。」


・・・ここで気になるのは坪倉ちゃんが柊のことを


“おいちゃん”


と呼んでいることである。


基本的には坪倉ちゃんは男子のことを“〇〇君”と呼んでいるのに・・・


どうして柊のことだけはおいちゃんっと呼んでいるのだろうか・・・



「彼女に見つからないようにしないとな、柊。」


「ええ~、今日くらいは彼女さんも許してくれるんちゃう?」


俺と坪倉ちゃんの言葉に、


「何で今日なら許してくれるの?」


真顔でそんな質問を柊がしてきたのであった・・・


「・・・ぷふぅ!!おいちゃん!今日バレンタインデーってことを知らへんの?」


「あぁ!?今日って2月14日か!!!」


ここで柊が気づいたようだった。

そんな柊を見て笑う坪倉ちゃん。

ただ、ここで坪倉ちゃんもあることに気づいたようでハッとした顔をする。


「ごめんなー、藤本君。

 うちなー、おいちゃんのと友チョコ用しか用意してないねん。

 渡せんくて、ごめんよー。」


「いやいや、いいんだよ。そんな気にしないで。」


そう別にここで坪倉ちゃんからもらわなくても、俺にはチョコをくれる子達がいるからだ!!


「ほなねー。」


坪倉ちゃんと違うクラスのため、そこで別れて、

俺と柊は1限目の教室へと向かうのであった。


いざ!決戦の地へ!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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