天文部合宿 ~14~
大どんでん返し♪
やっぱりこうでなくてはね~!
「おめでとう!!」
俺は森永に祝福の言葉をかける。
向こうの女子達は頑張った女の子に
「良かったね~。」
「ホント、良かったじゃん!」
そう言って祝福をするのであった。
ついに、森永の彼女いない歴も終止符を打たれたのであった。
「しかし、僕っ子か・・・。」
俺の何気ない言葉であったのだが・・・
「え?どういう意味?」
女子の1人がこちらに振り返る。
「いや、その子、自分のことを僕っていうだろう?」
「そりゃそうよ~!
だって・・・
男なんだからさ!」
・・・
・・・
「「はぁ~!!!」」
俺と森永は同時に目を見開いて、思わず大きな声をあげてしまう。
「ど、どういこと!?」
「へ?どういうことって、この子は男の子ってことだよ。」
「・・・意味が分からないんだけど・・・。」
「何が?」
「いやだって、女子の恰好してるじゃん?」
「ただの女装趣味なだけ。」
「「ええ!?」」
本当に俺も腰をぬかすと言う意味がこの歳になって理解できた。
あまりのことに俺は思わずその場にへたり込んでしまうのであった。
当然森永も同じようにへたり込んでしまう。
「もしかして・・・男好きとか?」
「何言ってるのよ!バリバリ女好きだよこの子!」
「そうよ!だって・・・
私達この子の彼女だもん!!」
「「はぁ~!?」」
地べたにへたり込んだまま驚きの声を上げる。
今、何とおっしゃいましたお二人とも!?
「じゃあ、まって・・・
君達2人はこの子の彼女ってこと?」
「だから、そうだって言ってるじゃない!」
「・・・え?リアル二股?」
「何がリアルか分からないけど、
彼は私達2人を愛してくれてるの。」
「二股ではなくて、2人をたまたま同時に愛してるだけよ。」
・・・それを世間では二股というのではないでしょうか?
「え?それを2人は許してるの?」
「許してるも何も、好きな人なんだし、
同時に愛し合ってくれるもん!」
え?
それって・・・
え?
3・・・P・・・?
すでに俺の情報処理が追い付いていかない状況になっている。
俺達とやり取りをしながらも女子達はその僕っ子に話を振って、
「もしかして、女装のこと何もいってないの?」
「・・・う、うん・・・。」
「あぁ~、それでこの勘違いかぁ~。」
納得する2人。
そうだろうね。
俺達だって女装のことを事前に聞いていればこんなことになっていなかったよ。
・・・まだ足に力が入らずに立ち上がることはできないな・・・
「じゃあ、友達になっては・・・女装しているけど、駄目なの?」
そう言って女の子の1人が森永に聞いてくるのだが、
放心状態の森永に聞くのは酷だろう。
「・・・とりあえず、一応、連絡先は交換しておいて、
後日にしてもらえないかな?」
ここで、柊が俺達に間に入ってくれる。
これは助かった。
正直いまだに俺はこの状況を飲み込めてはいないだから・・・。
柊が、俺達の連絡先を書いた紙を渡し、
向こうの連絡先を書いた紙を貰ってその場を収めてくれるのであった。
その後しばらく放心状態になっている俺と森永。
気がつけばどこの大学のメンバーも全員帰っており、
残されたのはうちの大学の一部のメンバーのみとなっていたのであった。
あれ?
おれ・・・
早川さんの連絡先聞いてないけど?
それに・・・
他の女子達と全然話せてないんだけど!!!
他にも女子っていっぱいいたじゃん!!
看護大学の女子っていっぱいいたじゃん!!
選んでおかないと!
早川さんにお願いする時にピグモン来たら嫌だもん!!
俺の心の声はむなしく響くだけであった・・・
傷心である俺・・・
告白されるものだと思っていたのに・・・
そこから急展開でこんなことになるとは・・・
だが、今回は告白もしてないのだから、2敗とはならないだろう・・・
そう思っていた矢先のことであった。
「はい。」
柊が俺の前に一枚の手紙を渡してくれるのであった。
「ああ、連絡先か・・・。」
今更渡されても困るのだがな・・・
すでにあの2人は僕っ子によって中古にされているのだから、
興味がだいぶ失せてしまっている。
そう思いながらも紙を開いて、中を見ると・・・
“私達は彼氏が好きなので藤本君の気持ちには答えられませんごめんなさい”
そう書かれていた・・・
そして、彼女達の連絡先はなかったのであった・・・。
「俺・・・
また・・・
告白もせずにフラれた?」
「そだねー。」
「軽い!軽いからな柊!!」
俺はどうやらまたフラれたようだ・・・
片や二股を実現している男がいる中で・・・
何で俺には彼女が出来ないんだーーー!!!
どこにいるんだ俺の運命の人!!!
俺は横で今だに呆然としている森永を放置して叫ぶのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。