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天文部合宿 ~10~

早川さんは手ごわそうだ・・・

「よ、柊!」


「お、藤本と森永じゃん。・・・逃げられた?」


「「違う!!」」


俺と森永は全力で否定する。



「どうやら1人体調が悪くなったみたいで3人とも帰っていったんだ。」


「・・・て言われて、逃げられた?」


「いやいや、断じて違うからな!!」


そんなやり取りをやっている中で、早川さんはワインを飲んでいた。

この美人にワインって良く似合うな・・・


その飲んでいる唇に思わず目がひかれてしまうのであった。


その視線に気づいたようで、微笑んでくるのだが、

俺は思わず視線を逸らしてしまうのであった。



「柊君のお友達って、2人とも彼女はいないの?」


「はい。」


「いないです。」


「ふーん、看護大学のメンバーで気になる子はいた?

 何なら合コンくらいなら開いてあげるよ。」


「「本当ですか!!!」」


「あははは、気持ちがいいくらいのいい食いつきっぷりだね。」


「ぜひお願いします!!」


「分かったよー、じゃあ、柊君、連絡先交換しよう。」


「は?何で僕?」


驚いた柊にしなだれるようにもたれかかり、ワインを飲む早川さん。



「だって、彼らは君の友達だけど、天文部員じゃないんでしょう?

 そやったら、交換できへんもん!私、天文部員同士で交換するってきめてんねん!」


「なんですか、その理屈は?」


「ええー、分からへん?柊君やったらモテモテやから分かるんじゃない?

 信頼できる人だったら教えてもいいけど、軽く知り合った程度の人には

 教えたくないと思わない?何されるかわからんやろ?」


そのジッと見つめる目が異様に妖艶に感じてしまう。

観念をしたように柊はため息をつきながら、



「わかりました。」


そう言って、スマホを取り出し、早川さんと連絡先を交換していた。

すると急に、


「早川さん、僕とも是非!!」


「早川!俺とも!!」


周りで様子を伺っていた男性陣がいきなり声をかけてくるのであった。


・・・この人こんなに人気者だったんだな・・・


確かに今回来ている中で断トツに美人である。

だからと言って、10人以上が一斉に集まってくるとは思ってもみなかった。


だけど、早川さんはみんなから要望をのらりくらりと交わしていき、



「ちょっとぉ~!たこ焼きがうまく焼けないやん!

 ちょっと待ってよー!後で教えるからさぁ~!」


そう言って、みんなを窘めるのであった。


・・・それなら後でみんなと一緒に聞きにいくとしよう・・・


俺はそう心に決めるのであった。

とりあえずは早川さんの正面を確保しているのだ。


まずは現状を堪能しよう!!



「早川さんは、看護大学になぜいかれたんですか?」


「うん?やっぱり人の命を扱うって尊い仕事だと思ってね。」


・・・


柊にしなだれたままで俺とも気だるそうではあるが話してくれる・・・


なあ・・・


柊・・・


うらやましすぎるんだけど!!!


いや、嫌がらなくてもいいだろう!


男としてそこは甘受しておけ!!


誰もお前の彼女には言わないからさ!!


・・・いや、こっそり写メを撮って今後の脅しのネタに使うか・・・



それにこのまま酔っぱらってくれたなら、

もしかしたら俺達にもしなだれてくれる可能性もあるだろう!!


俺は・・・


それを狙ってるんだ!!!


だから、さっきからワインをわざわざ持ってきて飲ませているんだからな!!


森永が、「犯罪はするなよ」っと小声で言ってくるが、


・・・善処はしよう・・・



「ほらぁ~、柊君!ちゃんと周りを巻き込んでからたこ焼きはひっくり返すねん。」


柊の頭を撫でながら言っているのだが・・・


言葉は怒っているようだけど、

甘やかしているように思えるのは気のせいだろうか?



「ぼ、僕も厳しく指導してください!!」


思い切ってお願いしてみると、



「あはははは、私、人に指導できるほどたこ焼き、上手じゃないし~。」


笑われて終わった・・・


柊と話すときはときどき関西弁が入ってましたよね?

それが今では普通の標準語になってますけど?



「私、芦屋出身やねん。」


そうおっしゃってたと記憶しておりますが・・・


とういか、俺への対応といい、

先ほど取り囲んできた男達との対応といい・・・


早川さん・・・


あなた・・・


絶対酔っぱらってないですよね!!!


ふぬぬぬ!


酔わせてウフフな作戦がうまく行きそうにない予感がするんだけだど!!!


絶対この人、ちょっとテンションが高い程度だけど

こんなしなだれなきゃいけないほど酔ってはいないはずだ!!


・・・なかなか手ごわい女子だな・・・


ちょっと腹黒いところも感じてしまい、一歩踏み出しにくくなってしまうぞ・・・



「藤本君は、細かいところに気づいて優しいね。」


そう言いながら俺のコップに注いでくれる仕草と笑みを見るだけで、

俺は先ほどの考えを捨て去り、あっさりと陥落するのであった・・・



「はい!出来る男なんで!!」


「出来る男か~、すごいね~。」


・・・ちょっと関西弁じゃないところが気になるけど・・・


褒めてくれてるけど、その視線が俺に全く向いてないのが気なるけど・・・・


そして、



「柊君も気配りしてくれてるねんな~。」


「・・・出来ないと思いますよ。」


「ふふふ、嫌なら逃げればええのに。逃げへんよね~。」


そう言って、しなだれて更に腕を絡ませる早川さん。


うらやましすぎるぞ!!畜生!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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