天文部合宿 ~1~
合宿・・・楽しかったな・・・
「じゃあ行くぞ、森永・・・。」
「ああ、ここの扉を開けば俺達に明るい未来が開かれるんだな・・・藤本。」
俺達は寮のある部屋の前にいる。
いざ、俺達の未来を拓くために!!
俺達はどんなことがあっても前に進んでいくぜ!!
その掛け声と共に扉を開けて中へと進んでいった・・・
「柊・・・俺は聞いたんだけど・・・」
「何を?」
「天文部って今度合宿をするようだな!!」
「ああ、するよ。」
「それも夏休みの9月中にやるんだろ?」
「・・・もしかして・・・。」
俺と森永は同時に、キレイな土下座をして、
「「是非、参加させてください。」」
柊にお願いをするのであった。
「・・・あれ?森永の軽音部も、藤本のオーケストラ部も合宿するだろう?」
「いやいや、俺達の身内だけの合宿なんだよ。」
「?」
「天文部の合宿は・・・
他大学と合同での合宿らしいじゃないか!!!」
「・・・どこからその情報を入手してくるんだよ・・・。」
「俺達の情報網を舐めたらあかんぜよ!!」
「舐めてない・・・
呆れてるだけだ。」
「あ、呆れるって!?」
「で、森永の方はこの話を聞いて参加したいと?」
「おっしゃる通りでございます。」
「・・・まあ、いいと思うよ。ただ、1泊二日で3000円はいるからな。
宿泊費と食費、交通費が込々でその値段だ。」
「分かった!!!是非とも頼む。」
「宜しくお願いします、柊先生!!!」
俺と森永はそれはそれは深く土下座するのであった。
「この2人が僕の・・・知り合いです、部長。」
「「宜しくお願いします。」」
俺と森永は深々と頭を下げる。
ここでは部長に好印象を与えなければならないからな!
「いいよ!ウェルカムだからね。一緒に楽しもうじゃないか!!」
なかなか明るい部長だ。
ただ顔がイケてないのが可哀想に。
これで顔が良ければモテただろうにな・・・
それが俺の天文部部長に対する印象であった。
大学から天文台までの移動は先輩達が用意した車に分かれて乗っていく。
残念ながら柊とは俺と森永は別れたのだが、
部長の運転する車に乗ることになった。
「それで二人が参加したのは・・・
彼女探しってのであってるんだよね?」
そんなことを唐突に言われて思わず吹き出しそうになったのだが、
「すでに柊君には聞いてるから安心していいよ。
そもそも・・・
今回参加した半分くらいのメンバーは女子目当てでの参加だからね!」
「な、なんですって!?」
「だって、普段は部活動に参加しないけど、この時ばかりは参加する連中ばっかりだし。
まあ、それで天文部の人数が多くて助かるから特に何も言わないけどね。
それと飢えた狼の数は多くて、早いモノ勝ちだから頑張ってね。」
「「頑張ります!!」」
「ちなみに俺も君達と同じで、女子目当ての1人だからね。」
「そうなんですか!?」
「うん、彼女いない歴が23年になってるから・・・
そろそろ頑張って今年こそ彼女いない歴に終止符を打とうと思ってるんだ!」
・・・やっぱりこの先輩はモテなんいんだな・・・
何だか同じ匂いがして他人の気がしない・・・
「今日の参加は女子大学も一つあるし、看護大学もあるからね。
敵は私大の連中と同じお隣の府の国立大学から来る連中だよ。」
「なるほど・・・。」
噂通り女子大もいれば、更には看護大学からも来ると・・・
・・・いいじゃないか!!
外部に彼女を囲っても、うちの大学ではバレないし!!
「森永・・・外にも彼女が出来るな。」
俺の小声に森永は力強くうなづき、
「男のロマンだ。」
そのセリフと共に暑い握手を交わすのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。