うどん屋さんの店員さんに恋をする! ~3~
“森永君”・・・そう呼ばれるだけで頑張れます!
「いらっしゃいませー!お、今日は3名様だね。」
またまた土曜日に来訪する俺達に
いつものようにステキな笑顔で接してくれる店員さん。
ただこの日はある違いがあった・・・
前回は柊と俺の二人だったのだが・・・
今日は変態の藤本がいる!!
こいつには相当な期待がかかっている・・・
なぜならば・・・
「お姉さん、名前は何というのでしょうか?」
「え?私?森だよ。そう言えば名前教えてなかったね~。」
「お若いですが、年齢は?」
「え?19歳だけど・・。」
そう、藤本はグイグイ行くタイプなのである!!
こんな時は心強い!!
俺の知りたいことをドンドン聞いていってくれる。
その後は別のテーブルに呼ばれて森さんは、そちらへと向かって行った。
俺達はタイミングを見計らって、森さんが来るのを企んでいたのだが、
別の店員さんが来て、注文を取っていった。
結局この日は森さんとの会話はないままで終わってしまった。
会計もその後店からの見送りも今日はなしだった。
ただ・・・
森さん・・・
19歳・・・
俺の1つ上かな?それとも誕生日を迎えた同じ年なのだろうか?
またその情報だけで俺は一週間を頑張れるぜ!!!
「あ、今日は藤本君はいないんだね。」
またまたまた土曜日に行くのである!
「今日は2人です。」
「柊君と・・・森永君だったかな?」
「はい!」
なぜこんなに森さんが俺達のことを知っているのかを教えよう!
それは簡単で・・・
藤本が毎日通っているからだ!!!
あいつめ・・・
先日のことである。
藤本が俺の部屋に来て、
「俺・・・森さんに恋をした!!!」
そう宣言してきたのである。
ただ、まあ、こいつはこんな奴だ・・・
“年中発情期”
“瞬間発情器”
そんな不名誉な異名を持つ男 藤本!
大学が始まって2カ月弱ですでに3人に告白して3人にフラれている男である。
そんな男が、森さんを見れば恋をするのもしかたがないっと思ってしまう。
そんな毎日通っている藤本から持たされた情報は、
美容の専門学校に通っていて、彼氏はいない、
そしてこの近所で実家暮らしをしているらしい。
「連れ込む時、実家に行くのは嫌だな~。」
付き合ってもいないのにそんな心配をしていた藤本・・・
確かにな・・・
ご両親に会うのは緊張するし、何って言えばいいんだろうか・・・
おっほん!
話がそれたけど、当然向こうの情報を得るためにはこちらの情報も流れている。
だから、俺達の名前を知っていてもおかしくないのだ。
「日替わり定食だよね?」
席に座ると柊に尋ねる森さん。
「はい、お願いします。」
「りょーかい!あ、敬語使わなくていいよー、せっかくだしさ。」
藤本情報で1つ上なのは聞いている。
それなのにこの気さくさ・・・俺の中でのポイントが益々上がっていく!
「じゃあ、俺はかつ丼定食で。」
「はーい。」
そう言って、厨房へと戻っていく。
いつも同じ注文をする柊だからやっぱり覚えられているのか・・・
俺も同じメニューにしようかな?
「はい、お待たせ。いっぱい食べて大きくなってね~。」
「この歳だと大きく何かならないよ。」
「そう?まだ未成年のうちは大きくなるんじゃないの?」
「森さん大きくなりました?」
「う~ん、縦には大きくなってないけど、横には・・・
って、何をいわせるんじゃぁ!!」
「勝手に自分で言ったんじゃん!!」
笑いながら柊と楽しそうにしゃべる森さんを見ていて・・・
俺は嫌な予感がするのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。