差し入れ ~2~
イケメンだとあるらしい・・・
「ってなことがあったのだが、2週間前だ。」
ただいま、森永の部屋でまったりと過ごしている。
柊はバイトで帰ってきていないため第二避暑地である森永の部屋にいる。
「そうなのか・・・。」
大きなため息をつく森永だったので、
「どうした?」
「いや、俺もこの間な・・・。」
そう言って、数日前の話を森永がしてくれるのであった。
その日は高田君のアパートに勉強をしに行っていたのだが、
「ピンポーン!」
チャイムがなり、高田君がインターホンに出ると、
「小倉ですけど・・・・。」
その声が女性であったのに思わず俺は反応するのであった。
「あ、うん。ちょっと待って。」
そう言って、部屋の扉を閉めて、玄関へいく。
扉を閉めているためあまりハッキリとは声が聞こえないのだが、
やはり女性の声だった・・・
というか・・・
若い?
もしかして同級生か!?
え?俺、邪魔してる?
そんなことを考えているため、勉強が全く手につかない。
結局10分後には戻って来るのだが・・・
10分も!?
と驚いてしまうのであった。
そして戻ってきた高田君の手にはなぜか鍋があるのであった・・・
そんな高田君と目があうと、
「・・・森永君・・・カレー食べる?」
「・・・あ、うん。」
そう答えるしか出来なかったのであった。
ここで、俺は踏み込んで聞いていいのかを考えるのだが・・・
踏み込もう!!
だって・・・
興味が勝つんだもん!!
「もしかして・・・俺、邪魔した?」
「いや、そんなのじゃないんだけど・・・。」
困ったような顔をする高田君。
「・・・さっきの人は?」
「あの人は同じ1組の子なんだけど・・・。」
「・・・彼女?」
「いや、違う。ここのアパートに住んでる子なんだけど・・・。」
「・・・クラスメイトがご飯を?」
「そう・・・。なぜかたまに作ってきてくれて・・・。」
困ったような顔をする高田君。
「・・・告白されたりは?」
「いや、そんなことはされてないんだけどね・・・。」
「何か誘われたりは?」
「う~ん、それもなくて・・・。」
・・・その女の子は一体、何がしたいんだろうか・・・
ただ、こんな俺でもわかるのは、きっとその子は高田君が好きなんだろうということだ。
だから、高田君にご飯を作ってくるんだろうな・・・
さすがはイケメン!!!
そんな女の子がどこかにいないかな~?
隠れていないで出てきて欲しいものだ!
「ってことがあったんだよ!」
「なんと・・・
そんな夢いみたいなことがあるのか!!!」
藤本は驚いた顔と複雑そうな顔をしていた。
「どうした?」
「いや、森永の見解だと・・・
田澤さんって・・・
柊のことが好きになるのだが?」
・・・あ!?
そういえば、今、狙っているのは田澤さんだったな・・・
ど、どうしようか・・・
「まあ、所詮・・・
モテない森永の意見だからな!!
あてにはならん!」
そう言いながら豪快に笑う藤本。
「いやいや、お前もモテないだろうが!!」
「馬鹿!俺はモテないんじゃない!!
気づかれてないだけだ!!」
「いやいや、もう入学して数ヶ月経過してるだっろ!?
それで気づかれないのはおかしいだろうに!!」
「どいつもこいつも節穴だらけなんだよ!」
「ああ・・・そうだな・・・
特にお前の目がな!!」
「両目とも2.0あるわ!」
「そんな意味じゃないわ!!」
その後も言い合いながら、結論は・・・
「早くおかずを持ってきてくれる女子をみつけないとな・・・。」
そういうと、
「俺は・・・
田澤さんがいるけどな!!」
「もう・・・
無理だって・・・。」
「何で無理なんだよ!?
今はまだレシピを考えてる段階だって!」
「2週間経って何の音さたもないなんておかしいだろうに!?」
「いや、愛する俺のために日々悩んでるだけだ!」
「どこまでお前は・・・
盲目なんだよ!!」
「節穴の次は盲目か!?」
「もう、目いらなくないか?
あっても、何も見えてないんだからさ!」
「俺の目は飾りかよ!?
今に見ておれ!必ず田澤さんが俺に差し入れしてくれるからな!!」
俺と藤本は平行線のまま話を終えるのであった。
結局・・・
俺の予想が大当たりするのだけどね!!
その後は柊には差し入れがあり、藤本には差し入れなし。
いよいよ、直接要求をする藤本、
「じゃ、じゃあ・・・。」
そう言って田澤さんから差し出されたのは売店で買ったであろうパンを渡されたらしい・・・
「・・・別にお腹がすいていたわけじゃないのだが・・・」
貰ったパンを見つめながらぼやく藤本であった・・・
藤本に・・・
いや!
俺にも・・・
誰か温かい手を差し伸べてくださーーーい!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。