運転免許合宿 ~4~
え?そんなこと本当にあるの?
越智さんの受付のみに向かうようになり、
何とかして話かけるようなきっかけを見つける。
朝かもしくは夕方か越智さんが受付の時だけ
1度だけにはなるが、何とか話をするようになったのである!!
「今日暑いっすね。」
「日中はもっと暑くなるようですよ。」
とか、
「ここら辺って美味しいご飯屋さんってありますか?」
「ええ、海の幸が有名で、いっぱいありますよ。」
こんなちょっと踏み込んだ会話までするようになっていたのである。
徐々に距離を詰めていき、俺は確信を得ていた。
今なら・・・
ヤレる!!
いや、違った!
付き合える!!
いよいよ、合宿も最後のテストを残すまでに至った。
途中で2度ほど検定に落ちて、追加料金を払うことになったのだが、
その分だけ、越智さんと会話が出来たので良かったとしよう。
1回追加で5400円
2度落ちたので10800円!
そして、越智さんとの会話時間
2分!!
・・・分速で5400円を稼ぐ女 越智さん・・・
それに貢ぐ男 藤本・・・
まあ、越智さんの時間を2分買えたと思えばいいだろう!!
そして最後の検定を終えて無事に終了となった。
明日には帰らねばならなくなる。
だから・・・
俺は・・・
行動に出るのであった!!
最後の書類を受け取りながら、
「お疲れさまでした。」
越智さんからの笑顔と最後の言葉を受けて、俺は・・・
「電話番号を教えていただけませんか?」
ついに俺は越智さんに電話番号を聞くのであった。
俺はゆっくりとスマホを取り出し、入力できるようにすると、
「ええっと・・・じゃあ、言いますね。」
なんと!!越智さんが電話番号を教えてくれたのであった!!
「ありがとうございます!」
「お疲れ様でした。」
お礼の言葉を述べて、合宿所へと戻るのであった。
そして、最終日と言ことで、お疲れ様会が開かれて、
それにもちろん参加する。
途中ピグモンが話しかけてきたが、
無視だ!無視!!
俺には越智さんがいるからな!
次の日、予定通り俺は大学へと戻るのであった。
「柊!森永!ついに俺は受付の越智さんの電話番号をゲットしたぞ!」
2人がいる部屋に俺は帰ってすぐに乱入した。
「「マジか!?」」
2人が驚き、目を見開いていた。
「ああ、ついに俺にも春が来るんだよ!!」
「やったな!」
「おめでとう!」
柊も森永も祝福の言葉をかけてくれる。
だから俺は・・・
「みんなにも聞いてもらいたいんだ・・・。」
「?何を?」
「それは・・・
栄えあるファースト電話をだ!!」
俺は登録した電話番号を発信する!
「はぁ?自分一人で話せよ!」
「俺らがいたら邪魔だろうに!」
2人からの言葉も確かに最もであるが、
俺は親友であるこの2人にうまく行くところを聞いてもらいたい!
ここで告白をして、成功する俺に祝福をして欲しいのだ!!
数回のコールのあと、
ガチャ!
との通話がつながった音がしたので、
俺は名前を呼びかける。
「おt・・・」
「○○教習所です。本日の営業は終了しましたので・・・」
俺の呼びかけの言葉を遮るようにアナウンスが流れる・・・
そのアナウンスは・・・
俺の通っていた教習所であった!!!
「どういうことだ!?」
俺は慌ててスマホを見直す。
柊達も一緒に見ていて、
「なあ。」
「なんだ、柊?」
「どうして・・・
固定電話なんだ?番号が?」
「・・・。」
3人に沈黙が走る。
「俺の聞き方が悪かったんだろうか・・・
『電話番号を教えていただけませんか?』
と言ったから、教習所の電話番号だと思ったのかもな・・・。」
俺の言葉に誰も同意しない・・・
それはそうだ・・・
俺は・・・
意図して教習所の電話番号を教えられたのだ!!!
「ノーーーーー!!!」
こうして俺は崩れ落ちたのであった・・・
その横で、森永が、
「ほら、その受付の人が間違って教えたのかもしれないじゃん。
自宅の番号と教習所の番号をさぁ!」
「・・・何で固定電話は教えるんだよ・・・・。」
「ほら!携帯持ってなくて、固定電話の人もいるだろう?」
「・・・越智さんは・・・
スマホ持ってるし!!
めちゃ打つのが速いのを見たことあるわ!!!」
人の優しさにやさぐれてしまうのであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。