テニスサークル ~5~
その日の晩、俺は藤本のことが心配になって電話するのだが、
藤本とは一度も電話がつながることなかったのであった・・・
そして・・・
コンコン!
次の日の朝、それも7時という時間に部屋のドアがノックされる。
もそもそと起きながら、ドアの方へと向かい、鍵を開けて、扉を開けると・・・
「ふ、藤本・・・。」
扉の前には藤本が立っていたのであった・・・
「森永・・・お前は無事か?」
「・・・ああ・・・お前も無事か?」
「・・・いや・・・・。」
「まあ、とりあえず俺の部屋に入れよ。」
そう言って、藤本に俺の部屋に入るように促す。
とぼとぼと入ってくる藤本に俺はとりあえずコーヒーを淹れて差し出す。
「それで・・・何があった?藤本・・・。」
俺は藤本に何があったのかを尋ねると、
しばらくは黙ったままであったが、少しずつその重い口を開いてくれたのだ・・・
「店を出た後、俺とあの子はそのままホテルに向かったんだ・・・。」
「なぁ!?お前はホテルに行ったのか!?」
「・・え?森永は違うのか!?」
「俺は・・・次の店に連れて行かれそうになった・・・。」
「・・・行かれそうになった?」
「ああ・・・たまたま俺達が入ろうとしたところに、そこから出てきた2人がいて、
1人はひ弱なサラリーマン、もう1人はヤクザ者だったんだ・・・。」
「それって・・・。」
「ああ・・・そのサラリーマンは近くの消費者金融に連れられて行ったよ・・・。
その光景を見て、俺は逃げ出したんだ・・・。
女の子からはものすごい罵声を浴びせられたけど、
そんなの気にしてる余裕なんてないからな・・・。」
「そっか・・・森永は逃げれたんだな・・・良かったな・・・。」
「俺は?っていうか、藤本はホテルに行ったってことは、
卒業してきたんじゃないのか?」
「・・・俺は、2人でホテルに行ったまではいいんだが・・・。」
「もしかして・・・・怖いお兄さんが来たのか?」
「いいや・・・。」
「それなら大人の階段を上ったのか!?」
「いいや・・・。
俺は、そのまま部屋にいったんだけど・・・
する前にはシャワーを浴びたいってことを言われたんで、
お互いシャワーを浴びたんだ・・・。」
「それで?そこまで行ったのなら・・・・。」
「まずは彼女がシャワーを浴びてきて、
次に俺がシャワーを浴びに行ったんだけど・・・。」
「も、もしかして・・・。」
そこまで言われて俺はある結論が見えてくる!!
俺が言わんとしたことが分かったのだろう、
俺を見てうなづく藤本・・・・
「俺がシャワーから出ると、すでにそのギャルはいなかったんだ・・・。」
「に、荷物はどうした?」
「キレイに財布の中身とカバンの中から金目のものはすべて抜き取られていたよ・・・。」
「・・・いくらの被害が?」
「お金は1万くらいで、腕時計をやられてたわ・・・。」
「マジか!?」
「・・・ああ・・・。」
「それ、取り返した方がいいんじゃないか!?」
「ああ・・・で、テニスサークルの部長に話をしたんだけど・・・
“誰がいるかは分からないから、それは個人個人でやってくれ”
って言われたんだ・・・。」
「なら、あの子らに話をすれば・・・。」
俺はそう言いながら昨夜に起きたことを思い出す・・・
あれ・・・
やくざだったよな・・・
ってことは、2人ともがヤクザにつながりがあると・・・
何とも言えない顔になってしまうが、藤本の顔も何とも言えない顔になる・・・
そして・・・
「今回のは・・・
勉強料だな・・・。」
「・・・ああ・・・。」
っていうか、どんなサークルなんだよ!!!
テニスサークルってさ!!!
後日飲み会代はキッチリと回収された・・・
9000円・・・
俺・・・・飲み物一杯しか飲んでないけど?
・・・ここにも・・・ぼったくりがあるんですけどぉ~!!!
もうテニスサークルには関わらない!!
そう心に決めるのであった!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。