新入生歓迎会(二回生):空手部 ~3~
カツカツカツ・・・
扉の方から、こちらに向かって歩いてくる音が聞こえてくるのである!!!
俺もそうだけど、先輩達も急に面を上げて、
更には先ほどまでの意気消沈していたところから、
いっきにテンションがあがるのであった!!
絶対に、空手部の新歓コンパに来る新入生だ!!!
俺達はただただ、固唾を飲んで扉の方をみつめるのであった・・・
俺達の視線が扉の方へと向けられている!
そして、近づいてくる音は、いよいよ扉の傍まできた!!!
ゴクリ・・・
生唾を飲む音だけが頭の中を響く・・・
コンコン!
やっぱり新歓コンパに来てくれたんだ!!!
扉をノックされた音に。
「はーい!」
返事をすると、
「失礼しまーす。」
そう言いながら、扉が開かれるのであった!!!
そして・・・
男子が1人やってきたのであった!!!
・・・チィ!!
心の中では舌打ちをしてしまう・・・
だって、希望は女子だったのに!!!
・・・残念だ・・・
非常に残念だ・・・
俺だけがそんな風に打ちひしがれていたのであろう、
先輩達も同級生も嬉しそうにその新入生を部屋に迎え入れるのであった!!
席を勧めて、
「何を飲む?」
先輩達が笑顔で接する。
すぐにその子の前にオードブルを持ってきて、食べやすいセッティングにする。
まさに至れり尽くせりである!!
「・・・君、経験者だね?」
そんな接客をしていた先輩が、その新入生に声をかける
「あ、はい。でもどうして?」
「その拳を見たら分かるよ。いつから?」
「はい、小学校の頃からやってます。」
「じゃあ、実力者じゃん!!」
先輩達は歓迎の声を上げるが、
そのことを聞いた俺は・・・
チィ!!!
心の中でまた舌打ちをするのであった!
俺は大学に入ってから空手を始めた口で、
まだ一年ほどしか経験がない・・・
暦で言えば、小学校の時からやってると10年以上のキャリアがあるってことだよな・・・
やりづらい・・・
希望は大学から始める奴が後輩がいい・・・
だって、その子に対してだったら先輩風が吹かせれるからな!!
それなのに経験者か・・・
男であることにガッカリして、更には経験者であることに益々ガッカリするのであった・・・
みんなは1人でも入ってくれれば、とりあえず四回生が引退しても
部の存続が決まったため、熱烈歓迎である!!
同級生も後輩が出来たことに喜んでいる!
まあ、あいつは元々経験者だから後輩が経験者でも何の問題もないだろうけどさ・・・
俺は先輩風を吹かせたいの!!
「先輩・・・どうしたらいいですか?」
って聞かれて、
「それはな・・・。」
って、教えたいの!!!
しかも希望は女子に!!!
男子だったら・・・
ノー!!!教える気もわかない・・・
・・・
あ!?
そう言う意味では歓迎か!
こいつなら、初心者同然の俺に尋ねてくることもないな!!
・・・了解だ!!
お前を受け入れてやる!!
ちょっと気に入らないが、空手部の存続問題も解決するし、
指導をする必要もないからな!!!
よーし!俺も先輩達と共に祝ってやるよぉ~!!!
そんなことを思っていた時だった!!
コンコン!
何とまたドアがノックされる音が聞こえて来たのであった!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。