新入生歓迎会(二回生):天文部 ~6~
さてさて、料理もできて、いよいよ新歓コンパまであと30分ほどになった。
すでに新入生の中には何人かが来ていて、
先輩達と嬉しそうにはなしていた・・・
って!!!
早川さんいるじゃないですか!?
料理の手伝い何かしている暇はなかったよ!!
とっととこっちに来ていれば良かった!!
俺はすぐに早川さんの傍へと歩み寄っていく・・・
新入生達には悪いが、俺が早川さんを狙っているんだ!!
ここには柊もいない!
このチャンスを逃すわけにはいかなんだい!!
「お疲れさまです。」
そういって、早川さんに話しかけると、
「阪大学の子?何回生?」
「柊と一緒の二回生です!!」
「よかったぁ~!じゃあ、この子に教えて授業のことを教えてあげて!
私じゃあ、わからんねんな~。」
そういって、はい!と今まで話した新入生達を俺に渡してきた・・・
ええ!!
って顔をするな!俺がしたいんだ!!
せっかく俺が早川さんと話をできると思っていたのに
どうしてお前たちと話をしなくちゃいけないんだよ!!!
俺だってがっかりだよ!!
・・・
結局お互いガッカリしながらも一応話をした・・・。
話もだいたい終わったところで、
視線を回して早川さんのことを探すと、
今度は部長の傍にいて、話をしていたのである!!
今度こそ!!
そう思いながら俺は早川さんのところへと近づいて行く!!
絶対に次こそは!!
「お疲れ様です。」
部長に挨拶をしながら、次に早川さんへ話しかける・・・
「早川さんは今日は学校なかったんですか?」
「?あったで。」
「それにしては早くないですか来るの。」
「ああ、今日は4限目がなくなってん!せやから早くこれてん。」
よし!まずは掴みは上々だ!!
このまま会話をしていけば・・・俺のペースだ!!
「いいですねぇ~!俺はしっかりと4限目受けてきましたよ!」
「お疲れさまやね~。」
会話が続く!笑顔も絶えない!!
よーし!よし!
このまま俺のペースで進んでいけば、この美女とのお近づきは間違いない!!
さぁ!!いくぞ!!!
そう意気込んだ矢先に起きた!!!
いや・・・
起こされた!!!
俺が会話を続けようとした時である!
「ねえ・・・君さぁ~。」
「あ!君ではなく北谷です!!」
「・・・“君”さぁ~、もしかして私のこと狙ってるのかなぁ~?」
その言葉に俺はドキッとする!?
いや、まあ狙っているのは事実ですけど・・・
こんなハッキリ言われると何だか照れてしまう・・・
っていうか、
「・・・君じゃないですよ~!北谷ですって!」
「で、“君”はねらってるのかなぁ~。」
ニッコリと微笑んでこちらを見てくれる・・・
その笑みがまたグッと俺の心を引き付ける!!
だが、また君と呼ばれた!!だから!!
「だ・か・ら!北谷ですって!!」
「うぅ~ん・・・君ってイマイチ察しが悪いのかな?」
「え?」
「私って、興味のない人の名前は覚えんねん。」
そういって、またニッコリと微笑んでくるのであった。
ただ・・・
その目が全く笑っておらず、刺すような視線である!?
さっきもこの視線を俺におくっていたのか!?
やっと俺は事態を察した!!
っていうか、さっきまで傍にいた部長たちもすすっと俺達から離れて
距離を取っているじゃないですか!?
ヘルプ!!
ヘルプっす部長!!!
俺の心の声と共に助けを求める視線に対して、
部長たち以下先輩達が、
腕を×にするんですけど!!!
首を勢い良く左右に振ってるんですけど!!!
そして、離れていくんですけど!!!!
どうやら、俺は地雷を完全に踏んだらしい・・・
だけど・・・
最初のファーストコンタクトが興味がないと言われても
これから興味を持ってもらえるようにすればいいじゃないか!
そうだよな!!
俺なら・・・
「もう・・・
二度と私に話かけないでな!
ウザいの・・・
めっちゃ嫌いやねん!
人生で一番嫌いなの・・・
チャラ男やねん!」
すでに笑みもなく、ただただ冷たく刺さる視線をだけを無表情で
俺に送っていたのであった・・・
俺・・・
殺される・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。