新入生歓迎会(二回生):軽音部 ~9~
最初の料理が俺達の前に運ばれてきて、
料理を取り分けてくれるモチ子、
「はい、どうぞ!森永先輩♪」
「ありががとう!」
お礼を言いながら、小皿を受け取り、食べ始めるのだが・・・
モチ子との話が楽しくて止まらないため
食べている最中でも喋ってしまっていると・・・
「森永先輩、食べながらしゃべるのはお行儀が悪いですよ。
楽しいのは分かりますけど。」
そんな注意をモチ子からされてしまうのであった。
「ごめんごめん、いやぁ~楽しくってさ、ついつい喋り過ぎてしまうんだよ。」
そんな俺の返しに、
「私も楽しいですよ♪だけど、口に入ってたものが飛び出してきちゃうので
注意してくださいね。」
「りょーかい!気をつけるよ。」
俺は意識をし始めて、口に入っている時には喋らないように気をつけていたのだが・・・・
「森永先輩・・・。」
何か残念そうな目で俺を視てくるモチ子。
「どうした?」
今は喋ってないし、何も注意されることはないはずだけど・・・
「箸の持ち方が違いますよ。」
そういって、箸の持ち方を注意されてしまうのであった・・・
たしかに・・・
昔っから、クロスして箸を持っており、親からも先生達からもよく注意されていたのだが、
結局直ることなく大学生にまでなっていた・・・
「ごめんごめん!だけど意識すれば・・・。」
そういって、正しい箸の持ち方で披露すると、
またモチ子に笑顔が戻って来るのであった。
その後は、特に注意されることはなかったのだが・・・
どうも最初の頃のテンションに比べて
低くなっているような気がするのだが・・・
ちょっとこちらを見ている顔もなぜか引きつったような顔をするモチ子・・・
その顔をみると思わず、
「どうした?」
「あ、いえ・・・。」
何か言いたそうにするのだが、歯に物が挟まったようになるモチ子。
だけど、その時は何も言わなかったのだが・・・
それからも出される料理を食べていたのだが・・・
意を決したようにこちらを向いて、
「食べている時にくちゃくちゃ言わせるのを止めてもらえませんか?」
「・・・え?」
「ずっと食べている間、くちゃくちゃ言わせてるんですよ!!!」
先ほどまで笑顔だったモチ子が、イラついたような顔をする!!
俺に対する注意もトゲが含まれているような物言いになっていた!!
モチ子が声を荒げたためか周りのお客さん達がこっちをどうした?という感じで見てくる。
その視線を察したモチ子は、下を向くのであった・・・
その後注文されていた食事には手を付けないモチ子・・・
俺が一通り食べ終わると、
「帰りましょうか。」
「あ、ああ・・・・。」
そういって、2人して席を立ち、レジへと向かう。
「ここは俺が払うよ。」
というのだが、頑なに割り勘するモチ子・・・
経済観念がしっかりしているというよりか・・・
俺におごってもらいたくないってのがありありとわかるんですけど!!!!
お代を支払い終えて、俺とモチ子はお店を出たのだが、
「それじゃあ、森永先輩、私帰りますので。」
「そう?カラオケでも・・・。」
「いいえ。」
まだお昼を少し回った時間だったので、
どこかにと誘ったのだが、バッサリと切られたのであった・・・
「ま、また食事に・・・。」
「みんなで行きましょうね。」
俺が食事に誘おうとすると、それに被せるように
“みんなで”を強調してくるモチ子・・・
「それじゃあ、失礼します。」
「あ、ああ!」
先ほどまでの笑顔はそこにはなくて、
ほとんど無表情に近い顔で、こちらとは目も合わせずに立ち去って行ったのであった・・・
俺・・・
フラれた!?
しかも・・・
食べ方で!?
そ、そんなことあるのかよ!?
慌ててスマホでググって見ると・・・
出うわ出るわ・・・
食べ方でフラれるって!?
・・・マジかよ・・・
あんなにラブラブなオーラを出していたのに
一回食事しただけで、ゼロへ・・・
むしろ軽蔑した目でこっちをみてくるなんって・・・
俺は衝撃のあまりその場に一時間ほど立ち尽くすのであった・・・
その後、柊の部屋で飲んだコーヒーは、
本当に・・・
本当に・・・
しょっぱいコーヒーでした・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。