藤本のバイト ~4~
期待はいつも裏切られる♪
「俺・・・今日はいけると思う!!」
「おう。頑張ってこいよ!」
柊の声援を聞き、10時50分に正門にて到着する。
まだ、10分前だから御船さんは来ていない。
まだ来ていないことを確認して、
何とか男としての約束事を守れたことに安堵する。
そしてここで出かけ際に柊とのやり取りを反芻する。
まずは御船さんが来たら、
「今来たところだから」
という!間違っても、
「10分前には来てたんだけど。」
と、正直には言わないことが大事らしい・・・
だが、本当に10分前に来たのだが・・・
まあ、寛大な男であることをアピールしなくてはいけないしな。
ただ、今後のことも考えてピシッと言って、
イニシアティブをとるのも手だとおもうんだけどな・・・
そんなことを考えていると5分前になったところで、
1人の男が正門に近づいてきた。
「おはよう!」
「おう、おはよう!」
その男は俺と同じオーケストラ部の同級生だ。
ここで、俺は困ってしまうのだ。
今日はこれから御船さんとランチデートだと言うのに、
この男とここで話してしまうとその間に御船さんが来てしまい、
御船さんとランチデートだということがバレてしまう!
いや、まあ、バレてもいいと言えばいいのか・・・
むしろバレた方が、今後御船さんにちょっかいを出す相手がいなくなるから、
いいのではないだろうか?
それにこの同級生も野暮ったくって非モテな人間のように思える・・・
ちょっとだけ優越感に浸りたい思いが湧いてきて、
よし!この男と話すぞ!!
そして、見せつけるんだ!!
そう決めた矢先、
「藤本君、今日行く、パスタ屋行ったことがある?」
「・・・へ?」
「いや、パスタ屋だよ。ほら、メールで来てたパスタ屋。」
俺の頭がフリーズする。
この男は何を言っているのだ?
うん?
ああ、もしかして・・・
この男も行くのか?
・・・いや、ちょっとまて!
“みんな”
って、言ったな?言ったよな?
え?え?え?
俺が呆然としていると続々とオーケストラ部の同級生が集まってきたのであった・・・
その数は10人以上が集まってくる。
あれ?
2人でのランチじゃ・・・ないの?
ちょっと遅れてきた御船さん。
「ごめんね。」
皆に謝っている。
・・・みんながいることはどうやら最初から決まっていたようだ・・・
俺はみんなで仲良く1回生で親睦を深めるを堪能するのであった・・・
よかった・・・
花束を買ってこなくて・・・
って!!!
全然よくねーし!!
おかしい・・・どうして俺は聞かされてなかったんだ!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。