非常階段Ⅰ ~3~
そんな騒いでるところに今度は非常階段の上の部分から声が聞こえてくるのである!!
俺達は話すのを止めて、
すぐに戦闘態勢をとるのであった。
今度は上からであるため、なかなかタイミングを計るのは難しいのだが、
それでも歴戦を越えてきた強者たちである!!
俺は息をひそめて上から降りてくる女子達の足音に集中するのである、
一段降りるたびに響いてくる音だが、
その音の強弱で、何階を下りてきているのかわかる!
すでに俺達は熟練度がたかいのだ!!
さて、いよいよ、俺達の確認ポイントに入ってくる女子達・・・
さあ・・・
来たぞ!!
俺達は一斉に頭を上げて、確認する!!
薄い青!!!
淡い青色きたぁ~!!!
そんな時だった!
何を思ったのだろうか、藤本が、
「薄い青か・・・。」
声に出して呟いたのである!!!
次の瞬間女子がこっちを見る!!
俺達と女子達の目が合ってしまうのである!!!
っていうか・・
俺達が見た下着って・・・
ヒキガエルと呼ばれる女子のものじゃないか!!!
うげぇ~!!!
見たくない!!!
先ほどまでの高揚感が一気にだだ下がりになってしまう・・・
というか、まずいことになった!!
だって、女子達と目が合ったってことは、
バレたって事じゃないか!?
女子達が今だにこちらを見てくるが、
俺達は全員あさっての方向を向く・・・
観ていないフリをする・・・
静かに降りてくる女子達・・・
俺達は何もないようにあさっての方向をみるだけで
一切女子達には目を合わせない・・・
何も言ってこない女子達に少しホッとしたのだが・・・
急にその足を止めて、こちらを振り向くヒキガエル!!!
その目には明らかな敵意を持っており、
「最低!!!」
そう言い残して去っていくのであった・・・
もっと糾弾されたりするかと思ったが、
そんなこともされることもなかったのでホッとしてしまった。
俺達が覗いていたことは・・・
全女子に伝えられてしまうのだが!!!
授業を受けるために教室に入ると、
「あの人達でしょう?」
「ホント、最低よね・・・。」
そんなヒソヒソ声が聞こえてくるのであった・・・
それだけにはとどまらず・・・
「なあ、俺…軽音部でも女子から軽蔑されるんだけど!!」
部活を終えて、寮の柊の部屋へと行く。
すでに藤本がおり、俺は今日あったことを伝えると・・・
「ああ・・・・
俺なんかオーケストラ部の女子、みんなから白い目で見られたぞ・・・
しかも・・・
練習する場所も一緒は嫌だと言われて、
1人で校舎裏で練習するしかなかったわ!!!」
俺よりももっとひどい制裁を受けている藤本・・・
それもそのはずで、女子の人数が圧倒的に多いオーケストラ部なんだから
その女子を敵に回すと非常に居づらいだろう・・・
それに数少ない男子も味方になってくれるはずがない・・・
だって、そんな変態を庇うと次は自分にその被害が来るのが明白だからな!!
俺なら助けない!!
だが・・・
「どうしたらいいかな?」
「どうすればいい?柊・・・。」
俺達は柊に助けを乞うのであった!!
だって、さすがにこれは辛い!!
教室はもちろん!
学食に行ってもされるし!!
図書館でもヒソヒソされた!!
もう俺にヒソヒソ話をされない場所はない!!
だから助けてくれ!!
「身から出た錆だ。」
・・・その一言で、俺達は突き放されたのであった・・・
これから数ヶ月、変態のレッテルを貼られてすごしたのであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。