藤本のバイト ~3~
お金って、どうして羽がはえて飛んで行くんですかね・・・
ゴールデンウイーク最終日、昼からはランチを女性と一緒に・・・
同じオーケストラ部の同級生で俺の中でNo1の可愛い女子である御船さんとのランチだ!!!
テンションを上げながら、顔を洗う。
「おう、おはよう。」
柊が洗面所に備えられている洗濯機に洗濯物をとりに来たようだ。
「おはよう、相も変わらず柊は早いな。」
すでに顔を洗い終えているのだろう。
寝癖もしっかり直っている。
時間はまだ8時だと言うのに。
「藤本こそ早いじゃん。そういや今日はデートだったか。」
「ああ!!思ったよりも気持ちが高ぶってな!
おかげで目覚めよく起きれたよ!」
「何時に待ち合わせ?」
「11時に大学正門前で待ち合わせだ。」
「・・・妙なところで待ち合わせだな・・・。駅とかではないん?」
「ああ、近くのお店らしいから、大学前で待ち合わせにしたんだ。」
「そういや、御船さんって実家だったけ?」
「そうそう。御船さんの家から目的地までの中間に大学があるから、
来る途中ってことで寄るらしい。ついでに自転車も置いてくるんじゃないか。」
「ああ、チャリ置き場何って、お店にないかもしれないしね。
じゃあ、頑張ってくれよ。」
「任せておけ!!」
俺は柊からの声援を受けて、気合を入れて、部屋に戻る。
とりあえずは、勝負用のコロンをつけて・・・
あとは服だが・・・
白いスーツは駄目だしを受けたばかりだし、
止めておくとしてどうしようかな・・・。
・・・買うか?
まだ時間もあるし、お店で買うという手もあるな~・・・
バイトもしてたからお金もあるしな。
そう思って、バイトのお金が入った封筒6つの中身を取り出したのだが・・・
3000円
・・・あれ?
おかしいな?
俺は6つの封筒をもう一度開けて、今度はしっかりと中にまで目を通す。
どの封筒にもお金は入っておらず、最初に取り出した3000円しかなかったのである。
あ!!
財布の中だ!!
そうだそうだ!
だって、昨日も飲み会だったから、封筒から出して、財布に移したんだった!
昨日使ったカバンを部屋をあさくって探す。
お!これだこれ!
カバンを見つけて財布を中から取り出すと・・・
1000円
・・・あれ?
俺の今の所持金て4000円しかない?
・・・いやいや!!
だって、6日×8000円で48000円ないとおかしいだろう!?
ちょっと、外食をしたけど・・・
ウナギをたべたけど・・・
焼き肉連日たべたけど・・・
寿司も食べたが、回転だ!!
あ、ステーキも食べたね・・・そういや・・・
ゴールデンウイーク始まる前には一応3000円くらい持っていたってことは、
51000円持っていて、ゴールデンウイーク最終日までに・・・
47000円使ったのか!?
俺は財布を呆然と眺めるのであった・・・
これは・・・服買うのはなしだな・・・
というか、ランチ代だって足りるかどうか分からんぞ!!!
急いで大学内にある銀行のキャッシュコーナーへと向かうのであった。
そして銀行の残高をみるのだが・・・
1300円・・・
あれ?4月の終わり頃に奨学金が振り込まれたはずなのにな・・・
おかしい・・・
あぁ~!そう言えば、オーケストラ部の消耗品を買ったりしたな!
まあ・・・3000円くらいだったけどな・・・
・・・後の数万円はどこに??
だけど、考えても仕方がない!
前向きに考えよう!!
次の奨学金の振込日は5月11日か・・・
・・・え?
デート何かしてる余裕がないのでは!?
だが・・・
だけど・・・
このチャンスを逃すわけにはいかないのだ!!!
こうなれば最後の手段だ・・・
「っというわけで、これを担保にお金を貸してくれ。
あと、借用書も書いてきた。
5月11日全額払うから1万円貸してくれ。」
俺は柊の部屋にいる。
差し出しているのはお姉さんが裸で映っている本20冊だ。
定価で買ったら、1万円の何倍にもなる価値が高い本である!!
「別に貸すのはいいけど・・・。
もし、返せなかったらこの本すべて売り払うからな。」
「そ、そんな!ごむたいな!!」
「何で借金の担保にエロ本なんだよ!!」
「男にとって、これ以上の宝はないだろう!!」
これ以上の宝物など存在しない!!!
男の夢や希望がそこに詰まっているのだからな!
その後は無事にお金を1万円借りることが出来て、
更には柊に俺の部屋にある服から、チョイスしてもらって着飾る。
さて・・・いよいよ・・・決戦だ!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。