野球スパイク製作のバイト ~1~
北谷の紹介で、俺達は春休みの間に、
野球のスパイクを作製する工場に行くことになった。
メンバーは、北谷と柊、藤本と俺(森永)である。
「北谷ってさ、どうやってこんなバイトを見つけてくるの?」
「いやぁ~、バイト先のスーパーに来てるお客さんの中に工場長がいてさ、
たまたま俺が棚に商品を並べている時に声をかけられたんだよ。
どうやら野球のスパイクを製作している工場で、人手がたらんからって言われてね。
4、5人いたら助かるわ~って言われさ。
その話を聞いてると、ちょうど春休みだけど実家に帰ってない3人のことを
思い出して、行きますって言ってん!」
「まあ、俺はイイんだけど・・・
藤本と森永のやる気のなさはなんだ?」
柊がこちらを見てくるのだが、その目には・・
すでに俺達がやる気がない理由がわかっているだろうに・・・
「・・・そんなの決まっているじゃないか、なあ、森永。」
「なあ、藤本。」
俺と藤本はお互いうなづきあう。
言葉にせずとも北谷の先ほどの言葉が原因であることは明白だ!!
「ああ!言い忘れたけど・・・
女子はいないらしいで工場には。」
その言葉で俺と藤本のテンションはだだ下がりである。
ただ、まあ、日給1万円のお昼ご飯付きなのが唯一の救いだな・・・
北谷の案内で、工場に到着して、受付の人に話をする北谷。
その間に俺と藤本は工場の中を見せてもらうのだが・・・
「・・・見事におっさんしかいないな・・・。」
「だな・・・。」
俺と藤本は深いため息をつくのであた。
それを見た柊が呆れるようなため息をついたのは言うまでもない・・・
その後、俺達を迎えてくれたのは・・・
「ホンマ助かるわ~!!」
ビール腹全開の完全なるオッサンであった・・・・
「それで君らの仕事なんやけどな・・・。」
そう言いながら、それぞれにハンマーが渡されて、
「最後のスパイクの刃を取り付ける作業をやってもらうわ。」
「・・・え?結構責任重大では?」
「せやで!せやけど、一応どこに打つのかも目印もあるし、
簡単にできるで!」
そう言いながら、俺達にどうするのかを説明してくれる。
・・・まあ、本当に楽そうではあるのだが・・・
「いやぁ~!ホンマ助かるわ!機械が壊れてもうてな!
これで、何とか納品の目途がつくわ!!」
「これって、ノルマあるんですか?」
「おう!一日いくつかは決めてあってな・・・。
いくつやったやろうか?おぼえてへんわ!わははははは!!」
・・・こんな工場長で大丈夫なのだろうか?
ちょっと不安になってきたんですけど!!
柊や北谷は、工場長と普通に話しをしているのだが、
俺・・・というか、藤本の不機嫌さはどうにかならないかな・・・
俺はすでに日当と昼食で納得しているのだが、
藤本に関しては女性がいない限り納得しないようだ・・・・
俺・・・
絶対に次からは藤本とは違うバイトをしよう・・・
そのことを決めるのにはちょうどいい機会となったのである・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。