引っ越し屋さん ~5~
だが・・・
その判定をしたのはどうやら俺だけではないようだった・・・
「じゃあ、今度、俺も引っ越し屋さんのバイトに入ろうかな!!!」
そんなことを言いだす北谷!
ここで俺も後れを取るわけにはいかない!!
「俺もするぜ!早速明日から入るぞ!!」
そう伝える!
どうだ北谷!お前には負けんぞ!!
他の面々は俺と北谷の態度にひるんだのか、
俺達の会話には加わってくることはなく、
一同が静かに俺達の様子を見守っていた。
ヨシ!!残るは北谷だけだ!!!
北谷の方を見ると、北谷も俺の方を見ていた・・・
どうやら俺達はお互いに残す敵は、
お互いだということを理解していたのだろう・・・
まずは引っ越し屋さんに行って距離を詰めてやる!!
そこから勝負だ!!北谷!!!
俺と北谷の間に火花が飛び散っている中、
「ええ~、ムリだと思うよ~。」
そんな言葉を女の子が俺と北谷かけてくるのであった!!
「いやいや、俺、こう見えても空手部やで!体力には自信あるよ!」
そう言って、立ち上がり正拳突きをする北谷!
くぅ!汚い!自己PRをするとは!?
だが、俺だって負けているわけにはいかない!!
体に自信があることを伝えなければ!!!
そう思って、俺もそれに負けずと立ち上がって、
「俺はオーケストラ部で演奏しているから体力もあるぞ!!」
ちょっと苦しい言い訳だが、お互い一歩も引かない!!
そんな俺達に、女の子が・・・
「だって・・・・
その顔だよ~無理でしょう。」
・・・
・・・
俺の耳がおかしくなったのかな?
今、彼女は顔が問題だって言いました?
・・・ああ、体力とか根性がなさそうな顔をしているって事かな?
だったら・・・
「心配無用だ!体力もそうだけど、根性もある!!
諦めない気持ちはピカイチだと思ってるぞ!!」
俺は自分の拳を握って、彼女へと掲げる!
それに便乗してくる北谷!!
ただ、他の連中がなぜかしかめっ面をしているのだが・・・
あれ?何かご不満な点があるんだろうかな?
俺にはさっぱりわからないけど・・・
俺と北谷のポーズを見た彼女が・・・
「違う違う・・・
その顔がアウトって言ってんの!
ちょっと・・・
生理的に受け付けないわ。」
・・・
・・・
あれ?
俺、今ディスられている?
「その顔じゃあ、引っ越し屋さんは無理だよ。」
更に追い打ちをかけるような言葉が届く・・・
・・・
はい!
質問です!!
最近の引っ越し屋さんって・・・
顔で判別されるんでしたっけ?
あれ、そんなに狭き門だったかな?
ホストクラブか何かだった?引っ越し屋さんって・・・
え?
体力があればいいんじゃないの?
呆然としてしまう俺に、それ以上の言葉はかけられることはなかったのだ・・・
楽しそうに柊と話している彼女・・・
結局、それ以上その場では盛り上がることなかったのであった・・・
ちなみに、北谷の方は心が折れたようだが、
俺はこんなことでは心が折れなかった!!
いや、このくらい・・・
勝ちへの途中だからな!!
だから、柊が行っている引っ越し屋さんに連絡をして、
バイトにこぎつけようとしたのだが・・・
「ああ・・・藤本君・・・残念だけど・・・。」
・・・バイトの面接すらしてもらえずに
電話だけで断られるのであった・・・
どうやら彼女がすでに手を回していて、俺が入らないようにしていたようだ・・・
え?そんなに?
だって、あのほんの一瞬しか話してないのに!?
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。