パスタ屋さん ~3~
「あそこの店員さんって彼氏いるの?」
「え!?も、もしかしておいちゃん・・・。」
「いやいや、俺じゃないけど、この2人がね。」
そういって、俺達を指さす柊。
それを聞いてちょっとホッとする坪倉さんであったが、
「あの人、めっちゃ可愛いねんな~。
だけど、残念やで!彼氏はいんねん!」
そこで俺はハッとする!
藤本は・・・絶対にあの言葉を言うだろう!!
目の前に坪倉さんが居ても!!
「そっか・・・まあ、可愛い人には彼氏はいるだろうな。」
坪倉さんの言葉に素直に納得する藤本。
・・・あれ?いつもゲスな言葉を言わないのか?
ほれ!
女子に男がいたら、お前必ず言うだろう?
「っていうか、3人ともあの人が誰か知らへんの?」
「?知らない。」
柊は知らないことを伝える。
まあ、俺も知らないし、藤本も知らないようで、
「あの人、うちの大学のミス阪大学やで~。」
「「「!?」」」」
驚く3人!
そう言えば、そんなコンテストしてましたわ!!
「あれ?おいちゃん、この2人には伝えてへんの?」
「?なにを?」
柊が首を傾げる。
「あれ?言うたやん!!ここのパスタ屋さんは店員さんみんな可愛いで~とか、
ミス阪大学の人がいんねんで~ってさ!」
「・・・え?言ってた?・・・う~ん、そんなことは思い出せないんだけど・・・。」
「うううぅ・・・おいちゃん、いい加減やねんな~。
人の話を全然聞いてくれへんのか・・・。」
「そんなことはないよ!し、失礼な!!」
「ええ、せやけどメッセージ送ったでぇ~。」
坪倉さんから言われていたのだが、
柊はそれでも納得してないようで、自分のスマホを見るのだが・・・
「やっぱりないよー!」
そう言って、スマホを坪倉さんに見せるのであった。
「え?あれ?うそ!?」
坪倉さんが慌てて画面をスクロールをするが、
どうやら坪倉さんが送ったと思われるメッセージを見つけることが出来なかったようで、
「ちょ、ちょっと待ててや!!」
慌ててどこかへと消えていく坪倉さん。
そしてすぐにこっちに戻って来るのだが、その手にはスマホがあり・・・
「・・・す、すいません!!」
柊に謝る坪倉さん。そして、
「入力はしているのに、そこから送ってなかった・・・。」
「・・・まあ、別に俺の濡れ衣が晴れたのなら良かったよ。」
そういって笑みを浮かべる柊であったが、
その笑みがちょっと怖いモノになっているですけど・・・
その後は必死に謝る坪倉さん。
そんな光景を見ていた俺と藤本であったが、
「・・・なるほど、怒ったところを見せるとより親密度が増すのか・・・・。」
よくわからないことを学んでいる藤本がいた。
「いや、お前がそのテクニックを学んでも使う場がないだろう?」
「もうすぐ来る!」
「いつだよ!?」
「次の彼女はあのミス阪大学だ!」
「次ってのは、彼女が出来た時に使っていいけど、
現状誰とも付き合ったことがないお前が使っていい言葉じゃないからな。」
「・・・。」
ムスッとする藤本だったが、俺は正論を言ったまでだ!
「分かった、すぐに実現して見せる!」
なぜか、力強い言葉を返す藤本であった。
ご飯を食べ終えて、俺達が会計をする時には、柊がまとめて払ってくれるようで、
俺達は先に出ていた。
その時、なぜだか店の外まで先ほどのミス阪大学が
俺達を店の外までお見送りをしてくれたのであった!?
支払いを終えたようで、柊と坪倉さんが店の外にまで出てきてくれて、
「おいちゃん、これホンマありがとう!またきてや~!」
「また来てくださいね!」
坪倉さんとミス阪大学が俺達を見送ってくれるのであった。
・・・こういう店なのか?
やっぱりちょっと値段が上がると、お見送りまで・・・
「どうだ!森永!俺をお見送りまでしてくれたぞ!」
勝ち誇ったような顔をする藤本に、
「いやいや、そういうお店だったんだろう?」
「そんなことはない!!きっと俺のために見送りしてくれたんだ!!」
その言葉に・・・ちょっとだけそうなのでは?と思ってしまう。
というか、他のお客さんの時にお見送りをしているようには確かに見えなかったからだ!
もしかして・・・
万に1つの可能性だと思っていたが・・・
藤本のために!?
・・・あれ?
もしかして俺のためっていう、可能性もか!?
あの時、外にいたのが、俺と藤本だ!
藤本は俺のためにというが、俺だって外にいたんだ!!
それにどちらもそんなにミス阪大学とは話をしていない・・・
・・・かなしいけど・・・
注文は?・・・柊が頼んでくれた・・・
おさげする時の確認は?・・・柊がお願いしていた・・・
うん!俺と藤本、どっちもまともに話してないや!
じゃあ、見た目か?
・・・俺が藤本に見た目に負けるとしたら・・・
今すぐ自殺を図るな・・・・
よし!見た目も負けてない!
なら・・・
いよいよ・・・
俺の可能性が出てきたぞ!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。